◆今作には『美少女戦士セーラームーン』や『エヴァンゲリオン』などの声優として活躍されている三石琴乃さんも出演されています。
植田:交流のある堤幸彦監督からメールを頂いて、ラジオドラマを収録していたらしく、そこが“役者の金の山”という内容で。役者の金の山ってなんだ? と思っていたんですけど(笑)、実際に収録を見学させていただいて。そこで三石さんが芝居されていて、その素晴らしさに感激しました。そこから三石さんにドラマ出演のお話をさせていただいて、最初は「連続ドラマはちょっと…」と断られていたんですが、何度も通って企画書や台本を見てもらってドラマの説明をさせていただいて、OKを頂きました。第1話を見て、声優さんとして超一流なんですけど、女優さんとしても超一流だったなと実感しました。
◆3話(4/30放送)では、咲の父・武史(佐野史郎)と紘一の父・正(酒向芳)の2人がお酒を飲みかわすシーンがありますが、そのシーンはどなたの提案なんでしょうか?
植田:妻は自由に自分自身の道を歩んでいきそうで、そんな時に夫は戸惑ってそうだなと考えた時に、誰か一緒に飲んでくれないかなという話を泉澤さんに言ったんです。そうしたら、残ったお父さん同士が飲むシーンを作ってくれました。会社という肩書を失ったら、何もかもなくなってしまうと思い込んでしまっているお父さん方が、そういった妻を見て、自分たちも何かできるんじゃないかなと思い出してくれるようなストーリーにしていきたいなと思っています。
◆『リコカツ』で最終的に伝えたいことは?
泉澤:離婚を考える上では、絶対に結婚ということも考えることになると思うので、社会生活を送りやすくするために人間が考えた結婚、離婚という制度なのに、その制度によっていつの間にか生きづらくなっている人もいる。結婚を先延ばしにする人がいるのもそういうことだと思うんです。そういう人もひっくるめて、作品中にいろんな人たちを登場させることができればなと思いますし、そういう制度と揺れ動く気持ちというものの間の気持ちをドラマの中で面白く描ければいいなって思っています。
植田:お互いの何が気に食わないか、100個挙げようとするけど、全然100個に満たない、そういうシーンがありますが、離婚をしたから不幸、結婚をするから幸せとか、再婚をするのかしないのかとか、そういうのを超えたラブストーリーを泉澤さんが紡ぎ出しています。周りの人がどう思うかとか、国がどう決めているかとかじゃなくて、2人の居心地のいい関係であればいいのでは、というドラマを作りたかったんだなと、泉澤さんの脚本に教えてもらっています。