関西を拠点に活動する“ちょうどいい”イケメン演劇集団・劇団Patchの連載「劇団PatchのLIFE GOES ON」がWebで出張連載! 誌面では語り切れなかったはみ出しトークを紹介しちゃいます!
『クロシンリ-彼女が教える禁断の心理術-』(カンテレ 毎週(木)深0・25~/BSフジ 毎週(土)深0・30~)の第2章(3、4話)に出演する田中亨さんに、ドラマの見どころや役作り、共演者とのエピソードなどについて聞きました。
◆『クロシンリ-彼女が教える禁断の心理術-』はブラック心理術をテーマにした痛快サスペンスドラマですが、第2章にご出演の田中さんはどんな役どころですか?
僕が出演する第2章は、ある高校が舞台。秋田汐梨さん演じる内気な女子高生・杏の片思いの相手である秀明を演じました。秀明はいわゆるイケメンのモテ男子。“ザ・爽やか”な役を演じるのは楽しみでもあったんですけど、怖さもあって。というのも、僕自身は高校時代、マスクをしてクラスの隅にいるようなタイプだったので…。「どうしたらいいんやろ」っていう不安はあったんですけど、現場では友達役の方やエキストラさん、皆さんが引き立ててくださって、すごく助かりました。周りに助けられましたね。でも、秀明には爽やかだけではない面もあって、そういう部分は知識としていろいろ調べたりしました。きちんと台本を読み解いていけば、完全な二面性ではなくて結局一人の人間だということが分かったので、より深く人物像を掘り下げられたと思います。ドラマでこんなに多面的な役は初めてだったので、やりがいしかなかったです。
◆相手役の秋田汐梨さんの印象を教えてください。
秋田さんは17歳だと伺っていたので、楽屋では友達役の方と楽しく過ごされているのかなと思っていたら、端の方に一人で座ってらっしゃったんです。人見知りな方なのかも…と思って、僕も少し遠慮していたんですが、休憩時間に「高校時代はどんな生徒さんだったんですか?」って思い切って聞いてみました。そしたら「すごくキャピキャピしてました」っておっしゃって。「あ、そうなんや」って(笑)。その後は次第に打ち解けていく中で、すごくお話しする時もあれば、寡黙な時もあって。秋田さんが演じた杏という役がおとなしい女の子だったので、そこも含めてだったんじゃないかなと思います。芯がしっかりされている方という印象でした。
◆兵動大樹さんも先生役でご出演されるそうですね。
そうなんです! 兵動さんとは、劇団Patchが『ピーチケパーチケ』(カンテレ)で特技披露をさせていただいて以来で。その時、僕は兵動さんの似顔絵を披露したんですが、何とご本人が気に入ってくださって、兵動さんの冠特番のロゴに使っていただいたんですよ。今回のドラマで久しぶりにお会いしたので、「あの似顔絵描いたの僕です!」って話しました(笑)。
そういえば、撮影の期間中、兵動さんが僕より先に帰られた日があったんです。で、僕が撮影を終えて着替える時、衣装さんから「はい、これ」って渡された僕の私服の黒のロンTがなんか違うんですよね。「僕のじゃないですよ」って言ったら衣装さんも思い出して、「兵動さんも黒のロンT着てはったわ! もしかして間違えた?」って(笑)。その後、衣装さんが兵動さんに電話してくださったんですけど、兵動さんは「これ、オレのやで」って言い切ったらしいです(笑)。翌日、兵動さんからの「ごめんな」という伝言とともに、ロンTは無事戻ってきたんですけど。ちなみに僕は衣装さんから頂いた肌着とアウターで帰りました(笑)。
◆そうだったんですね(笑)。ではあらためまして、ドラマの見どころを。
本当に誰もが楽しめる、「ザ・エンタメ」なドラマです。予想を裏切るストーリー展開が面白いので、あっという間の30分だと思います。主演の久保史緒里さん演じるクロノサキは、ブラック心理術を操る、ある種、神に近い存在。ぜひ、秋田さん演じる酒井田杏に感情移入してもらって、杏と一緒にサキに振り回されながら見ていただけたら。杏の心情を先回りして表す物としてバラがキーアイテムになっているので、バラにも注目して見ていただけると、より楽しめると思います。
僕が演じる秀明と杏のシーンは、スタッフさんから「今のキュンキュンするわ~」って言ってもらったほどに「ザ・青春」なシーンが多いので、“爽やかボーイ”な田中も楽しんでください(笑)。そして最後にちょっと衝撃を与えることができていたら、このドラマのメッセージが伝わったのかなと思います。
◆これまで舞台で活躍されてきましたが、昨年は『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)、『焔魔堂沙羅の推理奇譚』(NHK)、そして今回の『クロシンリ~』とドラマご出演が続いています。舞台とドラマで演じ方に違いはありますか?
舞台は一度始まったら止められないので、感情の流れも染み込むような稽古をして本番にぶつけるという感じですね。映像は1つひとつのカットに時間がかかりますし、顔だけの芝居もあれば、全身で表現する時もあるので、オンとオフをきっちり自分の中に作って、オフの時はできるだけリラックスすることを意識しています。これからは映像作品の割合も増やしつつ、舞台と映像、どちらもバランスよくやっていけたらいいなと思っています。
劇団Patchの次回公演についてはまだ決まっていませんが、もし全員集まることができたら、こんなにうれしいことはないですよね。劇団公演ってそれまでのそれぞれのキャリア発表会みたいなところがあるから、毎回最初の稽古はめっちゃ緊張するんです。今は来たるその日に向けて、いろいろなお仕事を積み重ねていけたら。劇団のためにも自分のためにも!
◆次回は田中さんと同期の4期生・納谷健さんが登場予定です。納谷さんへのメッセージを。
「僕って迷惑かけてなかった? 直してほしいところがあったら言ってください!」って伝えてください。…なんか彼女みたいですね(笑)。
PROFILE
「演劇で大阪を元気にしたい!」という大きな志の下、関西を拠点としたさまざまなエンターテインメントを発信する演劇集団。中山義紘、井上拓哉、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、星璃、吉本考志、近藤頌利、田中亨、納谷健の10人で構成。田中が『クロシンリ-彼女が教える禁断の心理術-』(カンテレ/BSフジ)に出演。納谷が舞台「タンブリング」(大阪公演:6/11~13 東京公演:6/17~24)に出演。納谷が主人公を演じた音楽朗読劇「カンテレ×劇団Patchプロジェクト『マインド・リマインド~I am…~」のDVDがワタナベ商店(https://7net.omni7.jp/fair/patch)でオンライン販売中。
●text/青柳直子