◆第3話では、隆治が認知症の胃がん患者・森山(品川徹)のために奔走。しかし、森山の症状のケアに特化した施設がないため転院させざるを得ず、涙ながらに見送る姿が描かれました。柄本さんはこの回にどんなことを感じましたか?
物語としては隆治君がまた一つ成長するきっかけになったのが大きかったかなと。彼が本来持っている優しさはこれまでも描かれてきましたが、そこに新しく“気づき”という要素が加わった。患者さんの思いを汲み取り、本当に望んでいることは何なのかに気づく。隆治君の優しさがさらに大きくなるエピソードだったと思います。個人的には、以前から知り合いだった森山役の品川徹さんとご一緒できて、本当にうれしかったです。
◆第4話では、隆治が大腸がんの患者・石井(須賀健太)の治療をめぐり、苦悩することになります。滝谷の見どころを挙げるとしたら、どこでしょうか?
滝谷の見どころで言うと、同期のみんなと吉田拓郎さんの「永遠の嘘をついてくれ」を熱唱するシーンです。滝谷がメーンで歌っている…はずなんですけど、仕上がった映像をまだ見ていないので、どうなっているかは分かりません(笑)。撮影しながら思ったのが、やっぱり亜嵐君が歌うとものすごくカッコいいんです。一種の“職業病”なんですかね(笑)。“何気ない瞬間にこそ本来の姿が出るんだな”と思いました。放送では、僕もカッコよく見えていたらいいんですけど…(笑)。あと、滝谷の“愛妻弁当”の秘密が明らかになるので、そこにも注目してもらえたらと思います。
PROFILE
柄本時生
●えもと・ときお…1989年10月17日生まれ。東京都出身。O型。最近の出演作に、ドラマ『アリバイ崩し承ります』『わたし、定時で帰ります。』、映画「海辺の映画館-キネマの玉手箱」など。映画「BLUE/ブルー」「バイプレイヤーズ ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」が公開中。
番組紹介
『泣くな研修医』
テレビ朝日系 毎週(土) 後11・00~11・30
(STAFF&CAST)
原作:中山祐次郎
脚本:樋口卓治
演出:豊島圭介、朝烏ツワ子、小松隆志
出演:白濱亜嵐、木南晴夏、野村周平、柄本時生、恒松祐里、木村昴、山口智充、高橋和也ほか
(第4話STORY)
大腸がんで抗がん剤治療中の石井(須賀健太)が、肝臓や肺、リンパ節などに複数に転移し、これ以上抗がん剤治療は継続できないと判断、これからは積極的治療は終了して、痛みや苦痛などをとっていく治療に切り替えることに。まだ25歳という若さの石井の治療をやめてしまうことに、隆治(白濱)は頭では理解しつつも、心が追い付いていかない…。佐藤(木南)が石井と石井の父にそのことを説明するが、顔色ひとつ変えずに真実を伝える姿に、さらに隆治は複雑な気持ちになる。もう少しオブラートに包んで話した方が良かったのでは、と佐藤に伝えるも、佐藤からはうそで期待させるのは患者のためじゃなく、自分が背負いたくないだけだと言われてしまう。
隆治と石井が中庭で談笑していると、石井の具合が悪くなり嘔吐してしまう。佐藤に相談して、がんの影響による腸閉塞が原因で、胃管を入れることに。石井から、いつまでこの胃管を入れるのか聞かれた隆治は、思わず数日で抜けると思うとうそを伝えてしまい、それを聞いた石井は安心して頑張ると前向きになるが…。
そんな中、拓磨(潤浩)がぐったりしているとの連絡が入る。拓磨の父・武(木村昴)がさつまいもを食べさせてしまったという。息子の容態を心配して質問してくる武に、隆治は、今は腸の動きが悪い状態で、おならさえでれば…と伝えてしまっていたのだ。
●photo/映美 text/海老原誠二