吉永小百合さん主演の最新作「いのちの停車場」で在宅医療の看護師を演じている広瀬すずさん。妻の介護をする老人、8歳で小児がんと闘う少女などの物語を通して、「自分だったらどうしたいか」と「生と死」についてあらためて考えることが多い現場だったと語る。役作りのことや、豪華俳優陣との共演について話を聞いた。
◆台本を読んでどんなことを感じられましたか?
いくつかの命を見届けていくストーリーなので、演じるほうも見るほうも大変な作品になりそうだと思いました。そして考えても考えても足らない…そんな心情が多いお芝居になりそうだと思いました。でも難しそうだなと思うと同時に吉永小百合さんが咲和子という役をどう演じられるかという楽しみもありました。
◆成島出監督とはどんなお話をされましたか?
撮影前に野呂聖二役の松坂桃李さんと私は太陽でいてほしいと監督に言われました。私が演じた星野麻世はつらい過去を抱えているんだけど、それを重い過去として受け入れているのではなく、「その経験があるから」と、ある意味前を向いている人。監督が思う麻世はそんな人物像なんだなと感じられたので、現場ではそれにすり合わせていくことが多かったかもしれないです。
◆吉永さんと一緒にお芝居をしていかがでしたか?
役や作品との向き合い方がすごく丁寧だなと感じました。今はコロナ禍という状況もあるので、コンパクトに撮影していく印象があったんですが、そんな中でも吉永さんの妥協しない姿に感動しました。
◆在宅医療の看護師を演じてどんなことを感じましたか?
在宅医療の看護師は、私のイメージとは全く違っていました。もちろん全ての看護師さんに「耐える」瞬間はたくさんあると思いますが、在宅医療の看護師は精神的に「こらえなければならない」瞬間が頻繁にあり、何て言うか…仏のような心を持っている感じがしました。