広瀬すずインタビュー「自分だったらどうしてほしいかと考えるようになりました」

特集・インタビュー
2021年05月21日

広瀬すずインタビュー

◆小児がんである8歳の少女・萌(佐々木みゆ)とのシーンは胸に迫るものがありました。

子供は素直だし、うそをつかない。そんな純粋さ故にはっきりと言えるのであろう一番怖いせりふを8歳のみゆちゃんに言わせるって、なんてすごい台本なんだと思いました。現場では、もっと私が感情をあらわに出したお芝居もしたんです。でも完成した作品には、その手前までの感情表現のものが使われていました。実際の看護師さんもとてもつらくて悲しい気持ちになっているんだろうけど、そんな姿を誰にも見せずに日々過ごされているんだろうなって、監督の編集を見てあらためて思いました。

◆萌ちゃんに「死ぬって怖い?」と聞かれますよね。自分だったら何て答えていいか分からないと思いました。

分からないですよね。自分も経験していないことだし。「大丈夫だよ」と言うしかないと思うけど、でもそれを言えば萌ちゃんに「死ぬ」ということを現実として感じさせてしまう。死を前提とした言葉を突きつけなければいけないって…本当に大変な仕事だなと思いました。現場では、監督はリハーサルをする方なので、みゆちゃんはきっといろいろ考えて、たくさん練習したんだと思うんです。でも練習したからできるとかそういうことじゃなく、その場で目が合った時にそらしたくなるような圧を、小さな体からすごく感じました。

◆そんな大変な在宅医療の中で、「まほろば診療所」の皆さんが社食のように使う「BAR STATION」の食事シーンが出てくるとホッとしました。特にパオ(大きなまんじゅう)をほおばる広瀬さんがとてもかわいくて(笑)。

どんな顔をしていたか覚えてないんですけど、すごくおいしかったです(笑)。登場するご飯がすごくおいしくて。でも麻世は亡くなった姉の子供である翼君を育てているんですね。だから翼君に食べさせてあげるしぐさが見えたらいいなと思ったので、自分ではあまり食べなかったんです。でも“これは食べられる!”と思って。“食べれるだけ食べよう!”と思って、カットがかかってからも食べていました(笑)。

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