結婚50年を迎える熟年夫婦の騒動をコミカルに描いた「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」で、葬儀社に勤務する主人公・菅野を演じた水野勝さん。人気グループ・BOYS AND MENのリーダーでもある彼に、本作の見どころのほか、俳優としての貴重な経験などを伺いました。
◆橋爪功さんや高畑淳子さん、松下由樹さんら、ベテラン陣に囲まれて主演作になりました。
先にキャストさんの話を伺った時、そのオールスターな“アべンジャーズ”感に「うそだろ?」と思ってしまったほどでした。自分が小さいころから見てきた方たちなので、かなりのプレッシャーもありました。ただ、僕は11年前、事務所の社長に「役者になりたい」と話したところから芸歴が始まっているので、「ようやく、その時が来た」という思いもありました。僕が持っている力と、今までの現場の経験を生かせるよう、気迫と覚悟を持って臨みました。
◆そんな中で主演として、現場で心掛けたことはありましたか?
皆さん、第一線で引っ張られてきた方々なので、主演とはいえ、「あんなことしよう」「こんなことしよう」という思いのようなものはありませんでした。この映画のテーマは「人生整理」ですが、僕自身にも人生やドラマがあって、どういった過程を経てこの機会を得ることができたのか、高畑さんには、そういうことをお話しさせていただきました。橋爪さんにはカメラが回っていないところで役者としての質問をさせていただきました。そうやって、早い段階で、お二人には「この作品を自分の出世作にしたい」という気迫や本気が伝えられたことがうれしかったです。
◆香月秀之監督、共演は剛力彩芽さんというのは、水野さんがヤンキー役で出演され、2021年2月に公開された「新デコトラの鷲」と同じメンバーが再集結ですね。
そうですね! でも、全然役柄が違いますね(笑)。公開順は逆ですが、この作品は昨年3月にクランクアップして、緊急事態宣言に入り、夏になって「新デコトラの鷲」がクランクインしているんです。そのため、役の切り替えが大変だったということはありませんでした。