和田庵インタビュー「撮影期間の2か月は毎日が濃くてあっという間に過ぎていきました」映画「茜色に焼かれる」

特集・インタビュー
2021年05月21日

◆ということは、和田君も負けず嫌いなんですね。

純平が自転車に乗れるようになろうと陰ながら練習するシーンがありますよね。僕も1年半くらいスケボーをやっていて、もっとうまくなりたくて1人で練習するので、そこも純平と似てるなと思いました。でも僕は周りからは負けず嫌いと思われていないんです。純平も内に秘めた負けず嫌いと言いますか…そこは共通していると思います。

◆役と自分との共通点を探すことは役へのアプローチになりそうですね。

そうですね。それと僕はその役が「誰と似てるか」を考えます。勉強ができて根が真面目という面で、純平はクラスメートに似ていると思いました。だからその子ならどうするだろうって考えたりしました。

◆純平がどんな人物かについて石井監督と話されたりしましたか?

脚本を読んで自分の中にザックリとしたイメージが沸きましたが、分からないこともあったので、監督に「このせりふはどんな感情で言っているんですか?」と聞いたりしました。例えば食卓で尾野さんに「母ちゃん、俺は解せないんだよ」って、純平が一方的に怒って言うせりふがあって、自分で考えた時は、怒りから出た言葉だと思いました。でも監督には怒りや疑問…いろんな感情が入り交じって出てきた言葉だと教えてもらいました。僕はこの作品が決まる前に1年半ほどカナダに留学していて、これが帰国後初めてのお仕事だったので不安もあり、とにかく分からないことはすぐ聞くようにしていました。

◆尾野真千子さんとの共演はいかがでした?

尾野さんの作品を拝見して、勝手に怖い人ってイメージがありました。配信サイトで『フジコ』というドラマを見たせいだと思います(笑)。最初は尾野さんと共演するという緊張もあったので萎縮してしまって。でも現場で石井監督と尾野さんと3人で雑談した時に、すぐに優しくて明るい人だと分かりました。現場の空気が一瞬でパッと明るくなるような方なんだなと思いました。

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