和田庵インタビュー「撮影期間の2か月は毎日が濃くてあっという間に過ぎていきました」映画「茜色に焼かれる」

特集・インタビュー
2021年05月21日

◆尾野さんによって思いもよらない感情を引き出されたと感じることはありましたか?

ありました。神社で尾野さんが逆上して、それを僕が止めようとするシーンがあって。あのシーンは尾野さんに立ち向かうのがすごく大変でした。尾野さんは役に成り切っていて、「おい!」って相手に声を掛ける第一声で、神社の鳥たちがバサバサッと飛び立ってしまうくらい気迫があったんです。なので僕自身の気持ちもすごく上げていかないと無理だと思いました。そんな尾野さんの姿を見て、僕の感情も高ぶっていきました。あらためて尾野さんはすごいと実感しました。

◆お母さんのために純平が跳び蹴りするシーンがありますよね。あのシーンは唯一胸のすく思いがしました。

ドロップキックする時は、蹴っている時の衝撃が映像の中で伝わるのか不安でした。でも完成した映像を見たら、いい感じで映っていたので良かったです(笑)。今まで僕はアクションシーンをする機会がなかったんですが、今回は自転車で橋の上を全力で走ったり、純平をいじめる同級生グループに傘でやり返したり、初めての経験ができてすごく新鮮でした。傘のシーンは、監督がたたく強さが伝わるほうがいいから、傘は折れたほうがいいとおっしゃったんです。なので傘にちょっとした細工をしたんですが、なかなか折れなくて何度もやり直しを…。良い映像を撮るためには、どのシーン1つとっても深いんだなと思いました。

◆この作品を経験して変化はありましたか?

撮影期間の約2か月、ほとんどの時間を尾野さんや石井監督と過ごして、毎日が濃くてあっという間に過ぎていきました。その間の出来事や経験を今後に生かして、次のお仕事につなげていけたらいいなって思っています。この作品を通して、お仕事への向き合い方、役作りや取り組み方など、自分の中で変化したこともたくさんあるので。

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