今最も勢いのあるY(YouTuber)系バンドとして注目が集まっているNon Stop Rabbit。バンドとしてだけでなく、YouTuberとしても順調な日々を歩んでいるように見える彼らだが、過去には全く登録者数が伸びない上に“アカBAN”されてしまった苦い経験も。今回のインタビューでは、決して順風満帆ではなかった3人の素顔が垣間見られるぶっちゃけトークをお届けします。
◆YouTuberとしても注目度の高いNon Stop Rabbitですが、ここまでの人気を得るまでに紆余曲折あったそうですね。
田口達也:最初は全然登録者数が伸びなくて、やっと0から2万人まで増えたと思ったらアカBANされてしまって。その時は「終わった」と思いました。しばらく立ち直れなくて、辞めようとも思いましたね。
◆自分たちで映像編集もされているからこそ、余計に堪えますよね。しかし、そこからの再起もすごいです。
矢野晴人:かなり落ち込みましたけど、やるしかないじゃんって言って僕が2人をたたき直しました。
田口:それにちょっと腹立ちましたけどね(笑)。でも8割はイラっとしましたけど、2割は助かったような気がします。
矢野:その2割にこれまでどれだけ救われてきたか(ドヤ顔で2人を見る)。
田口:ばかでポジティブなだけなんですよ(笑)。
矢野:それを言ったら太我もでしょ。
太我:俺はちゃんとやらなきゃいけないところ以外は、わざとちゃんとやらないようにしてるだけだから。
田口:カッコよく言ってるけど、そもそもちゃんとできないだけだからね(笑)。ある種、病気なんですよ。ごみをたどっていくと大体いるんで(笑)。
矢野:例えば服を脱いだら、脱いだ形のまま。帰ってきたら、そのまま足を突っ込めばいい状態になっているんです。
太我:(ドヤ顔で)違和感を残していきたいんです!
一同:(笑)
太我:人と同じことはしたくないんですよ、僕という存在を忘れられたくないから。
田口:やっぱりこいつもばかだ(笑)。
◆田口さん自身は?
田口:俺はこの2人に比べたら一番まともだと思いますね。
矢野:いやいや!
田口:だって、俺は2人みたいにぶっ飛んだエピソードがないから(笑)。動画が消えた時も「もう無理なんじゃないか」って思ったし、あの時と同じ熱量で同じところまでいけるんだろうかって冷静に考えちゃって。研究家気質があるというか、音楽に対しても売れるメロディーを追求したり、動画を撮っている時も位置がちょっとでもズレると許せなかったり、超細かくて神経質なんですよ。
◆お2人と真逆なんですね。
田口:だから、苦手なんですよ(笑)。彼らはズレててもはみ出してても平気なんで。
太我:むしろ俺ははみ出したい願望があるから。でも、ちゃんと調整してくれるので、安心してやりたい放題やらせてもらってます。
矢野:達也がバランサー的な役割をしてくれてますね。いないと大変なことになると思います(笑)。
◆楽曲制作も田口さんがされていますし、ノンラビに欠かせない司令塔というか、支柱的存在ですよね。
田口:…(照笑)。
◆褒められるのはあんまり得意じゃない?
田口:そうっすね(笑)。
矢野:(すかさず)僕は褒められて伸びるタイプなんで!
太我:僕も! 褒められれば褒められるほど調子に乗ります(笑)。
◆ちなみに他のYouTuberとの違いや再生回数を増やすために意識していることなどはありますか?
田口:タイトルとサムネにインパクトをつけるってことですかね。
矢野:一見、怖そうに見えるけど、タイトルとサムネでそう感じるだけで内容はちっとも怖くないという。
田口:「怖い話をこんな台無しにできる人って初めてです」っていうコメントが来るほどですから(笑)。
太我:ずっと笑ってるんでね。怖い話は苦手だけど、ノンラビなら見れるって人も多いので、逆にタイトルやサムネで引いていた方はぜひ一度だまされたと思ってみてほしいです。
◆ちなみにネタはどこから?
一同:ネットで調べれば(笑)。
田口:著作権とかをかいくぐっていく感じですね。あとはしゃべれれば、誰でもできます、記事を読むだけなんで(笑)。
◆この3人のトーク力があってこそ成立する内容ってことですよね。
田口:それこそ最初はYouTuberらしい企画とかもやってたんですけど、メジャーデビューを意識し出した時に、テレビ番組のプロデューサーさんやお偉いさんに俺らはトークもいけるっていうのをアピールしておいたほうがいいかなと(笑)。その結果、ラジオのレギュラーが決まったり、音楽番組のプロデューサーさんにも「田口君、好きにしゃべっていいからね。YouTubeで知ってるからね」って言われたりして、まんま作戦どおりじゃんって(笑)。
◆さすが研究家だけあって、確信犯ですね(笑)。そういった意味では、YouTubeで公開されている「嵐メドレー」や「2020年ヒット曲メドレー」などの本格的な演奏動画も注目を集めるための一環だったりするんですか?
田口:まさにそうです。売れている曲を演奏すれば、それだけ話題を呼ぶという簡単な理論で。「なんでこの人たち、こんなに歌えるし、演奏できるんだろう? あ、アーティストなんだ」ってYouTubeから飛んできてくれたらいいなという思惑があるからです(笑)。
◆まんまと皆さんの術中にはまってしまうと(笑)。他のアーティストの楽曲を演奏する上で意識されている部分は?
田口:3ピースのバンドが演奏するということを意識してるので、普段の楽曲だったらたくさん音を入れるところを極力省いて、それぞれの曲のよさを生かすようにしています。見てくれた人が「お、こんなことも自分たちでやってるんだ」って思ってもらえたらいいなと。あんまりハードルが高すぎちゃうとYouTubeというコンテンツ自体が好きなファンも見ないと思うんですよね。だからあえてゴチャゴチャしたスタジオで撮影して、“身近っぽい人が演奏しているな”“結構うまいな”“あっプロなの!?”って感じで、ノンラビの楽曲に興味を持ってもらえたら最高です。
矢野:めっちゃ考えてるやん(笑)。
◆NiziUや女性アーティストの楽曲も原キーで歌唱されていて驚きました。難しくなかったんですか?
矢野:「これをやります」とラインナップを提案されてしまったので、もう歌うしかないって感じでした。でも、誰でもやればできます! ただ、詰め込み過ぎて17曲になってしまったので、正直覚えるのは大変でしたね(笑)。
◆選曲はどのように進められたんですか?
田口:グループLINEで「2020年に売れたと思った曲出して~」と連絡して、2人にバーッと出してもらって。その中から僕がリサーチして本当に売れてるなと思ったものをピックアップして曲順を決めていきました。決定基準は数字(売り上げ)。どうやったら当たるか、それだけを考えてますね。
◆ではグループ名の“ラビット(ウサギ)”にちなんで、〇〇君のこんなところがウサギっぽい! と思うところを教えてください。
田口:3人に共通しているのは圧倒的な性欲じゃないですかね(笑)。
一同:(爆笑)
太我:あと夜になると寂しくなりますね。寂しがり屋なんで。
矢野:3人ともB型だから、根本は一緒なんですよ。太我はしょっちゅうウサギみたいにサラダスティックを食べてます。
田口:それを言ったら、おまえら2人野菜ばっか食べてるわ。俺は肉しか食わないから。あと、ウサギとはかけ離れちゃうけど、晴人は意外と男らしい! みんなでご飯を食べた時に、率先してお金を払ってくれる。
矢野:金額は確認してるよ。払うのは安い時だけ(笑)。
田口:そういうことか~!
矢野:少ない金額をみんなであーだこーだ言い合うのが面倒なんですよ。
田口:いつも出してくれて悪いから、高い時は俺が出してるんですけど…。ってあれ、俺、だまされてない?
一同:(笑)
矢野:まぁまぁ、払った回数は同じだから。
田口:詐欺グループの手口じゃん!
一同:(笑)
◆結果、田口さんは太っ腹であると。太我さんは?
田口:違和感がどうのこうのとか言いつつ、人の顔色を伺うタイプ。
太我:常に反省しています。反省マンなんで。
◆それだけ相手の気持ちを考えて行動しているってことですよね?
太我:そう、そうなんです!
矢野:よく言えばね(笑)。
太我:達也は意外と落ち込みやすいかも。
矢野:そうだね。一見、メンタル強そうだけど。
田口:すぐに傷ついちゃうから、事務所からエゴサは禁止されてます。
矢野:僕はその逆で全く傷つかない(笑)。
太我:僕も知らない人に言われるのは何とも思わないですね。
◆意外と一番ウサギっぽいのは田口さんだったという。
田口:ちょっとしたことでも悲しくなっちゃうからね。
矢野&太我:かわいい(笑)
田口:何に関しても常に全力だから、その分反動が大きいんですよね。
◆意外な一面を知れたところで、皆さんから欲求を抱えながら前向きに頑張っている読者の方々に向けてメッセージをお願いします。
田口:欲を制御しすぎる社会はもったいないし、面白くないと思うんです。皆さんが思っている我慢というのは一切必要がないというのをメジャー1stシングルである「三大欲求」全体を通して伝えられたらと思いますし、僕たちのようなわがままな人間がいる以上、ここまでやっていいんだなという数値になれたらいいなと思います。
太我:もっと人生なめていいんじゃないかなと思うんです。僕らもメジャーと言っても、その枠にとらわれるのではなく、そこからどう自分たちが大きくなっていけるかが大事なわけで。これは僕自身にも言えることなんですけど、誰かの顔色を伺うのではなくて、もっと自分を優先して、自分が幸せだと思えるような人生を送ってほしいなと思います。
矢野:「三大欲求」を聴いてくださった方は、これからのノンラビに期待してくれるんじゃないかと思います。僕らも“有言実行”という言葉を掲げて皆さんの期待に応えられるように頑張りますので、CD、YouTube、ライブと僕らが発信するさまざまな活動に注目していただけたらうれしいです。
PROFILE
Non Stop Rabbit
●のんすとっぷらびっと…2016年11月に埼玉県で結成された、今最も勢いのあるY(YouTuber)系バンド。2020年12月にアルバム「爆誕 -BAKUTAN-」でメジャーデビューを果たした。
(写真左から)
矢野晴人
●やの・はると…1996年2月20日生まれ。B型。Vo.&Ba.
田口達也
●たぐち・たつや…1993年11月18日生まれ。B型。Gt.&Cho.
太我
●たいが…1995年4月20日生まれ。B型。Dr.
●photo/市川秀明 text/星野彩乃
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