5・23OA『愛しのアピールちゃん』を演出したプロデューサーがアピール!“強烈アピール×読後感の良さを意識”

特集・インタビュー
2021年05月22日

指原莉乃さん、佐藤栞里さん、Hey! Say! JUMPの有岡大貴さん、ハライチさん出演のイマドキの アピール事情を解明していく単発バラエティ『愛しのアピールちゃん』(MBSTBS系)が5月23日に放送。演出を手掛ける水野雅之さんに、番組制作のきっかけや、キャスティングなどについて語っていただきました。

◆番組の核となる“アピールちゃん”に注目しようと思ったきっかけを教えてください。

オンライン会議をしていると、部屋の背景に良さげな絵が飾ってある人や、猫をこれ見よがしにフレームインさせる人がいるんですよね。ちょっとした「アピール」が気になったんです。普段から僕は、日常で引っかかるものをきっかけに企画を練っていくので、今回は「アピール」で作ってみました。思い返してみても、小学生が「逆上がりが得意」ってアピールしたり、大人が「限定のスニーカーをゲットした」って自慢したり…かなり普遍的なテーマだなと。さらにその普遍的なテーマが、SNSの普及で今っぽいキーワードになってるな、と思ったんです。

◆スタジオの指原さん、佐藤さん、ハライチさん、有岡さんが、さまざまな“アピールちゃん”が登場するVTRに鋭いツッコミや“あるある”を入れていましたね。キャスティングについて教えてください。

ご本人たちは「このメンバー、実は新鮮!」って言ってましたね。組み合わせとしては新鮮ですけど、新番組は企画とキャスティングがうまくリンクしないとオリジナリティーが出てこないと思っているので、僕がもともとご一緒したことがあって個性が分かっている皆さんにオファーしたんです。「アピール」がテーマの番組なら、MCは指原さんがベストだと思いました。ご自身の意見を普段から発信してるし、SNSやネット動画を使ったアピールも抜群にうまい。指原さんって、あのポジションでは無双状態ですよね。それってちゃんと理由があって、企画の面白がりどころを見極める解像度がとても高いから、絶対に想定以上の撮れ高にしてくれるんです。僕も出演してもらうたびに、そのすごさを目の当たりにしています。

◆佐藤栞里さんの楽しそうな表情がとても印象的でした。

最近のテレビを見ていて、楽しそうだなって思う番組って、佐藤さんが笑ってるものがとにかく多いんです。もっと言うと、佐藤さんが楽しんでくれるような番組作りが、今のトレンドだと思います。先日、特番でご一緒した時も、とっても楽しい雰囲気にしてくれたので、今回もまず佐藤さんに出演のオファーをしました。あと出演が決まってからは、「アピール」×「佐藤さんが楽しんでくれそうな読後感の良さ」っていう掛け算を意識して番組を仕上げていきました。「アピール」って扱い方や掘り方を間違えると、攻撃的で時代遅れな番組になっちゃうんですけど、収録後に佐藤さんが「めちゃくちゃ楽しかった」と言ってくれたのはうれしかったです。

◆ハライチさんや有岡さんもとても盛り上がっていましたね。

『初耳学』は初回から澤部さんお一人の出演ですけど、ハライチとご一緒したい気持ちがずっとあったんです。『初耳学』は番組の構造上、林先生がボケの役割なので、澤部さんのツッコミの矛先を明確にするためにお一人で出演という形を取りましたが、『アピールちゃん』は世間のアピールへの多様な意見を聞きたい番組なので、岩井さんのキレッキレの個性が欲しかった。ハライチのコンビの良いところが出ていると思います。有岡さんとは初めてご一緒しましたが、印象的な言葉をちゃんと言ってくれる方ですね。あれだけバラエティで活躍している理由がよく分かりました。自分が過去に言ったうそアピールを自白してくれたり、ジャニーズの先輩からマウンティングされた話もしてくれたり。そんなにバラしちゃっていいの!? と思うことまで話してくれました。

◆“自分の方が上”アピールの「マウンティング」のコーナーも盛り上がりましたね?

今はアピールがとっても大切な時代だけど、やり方を間違えるとマウンティングって受け取られかねないですよね。で、会議で話し合っていると「マウンティングって、どうやら言ってる本人には悪気がない“無意識型”の方が多いよね」という結論に行き着いたんです。だから、「このブランド服買ったんだけど、意外と安いよ」って親切? それとも、無意識のマウンティング? というような質問を出演者に投げかけるコーナーにしました。全部で10個の実話を紹介してますが、僕らが会議の中で「これってどうやって言い返すんですかね」「言い返しの言葉が思いつかないですよね」となっていたマウンティングのひと言も、岩井さんが全て一瞬で返り討ちにしていて圧巻でした。全体としては、意外なアンケート結果も紹介していますし、多様な価値観や考え方を提示しているので「マウンティング」×「読後感の良さ」という仕上がりになってると思います。それから、再現ドラマは小倉優子さん、田中道子さん、本髙克樹さん(7MEN侍/ジャニーズJr.)がコミカルに演じてくれていて、楽しめる作りになっています。

◆「掘り出し!アピールハント」では、アインシュタインさん、パンサーの向井慧さん、ラランドのサーヤさんがローソンで調査されていました。

もっとアピールした方がいいのに、アピールし切れていない情報をローソンで発掘してもらったんですが、皆さん、ロケが終わった後、「放送までに(聞いたお宝ネタを)言いまくってドヤ顔する」と言っていましたね(笑)。向井さんやアインシュタインは、取材相手を巻き込みながら楽しくできる実力の持ち主ですし、サーヤさんは知的好奇心があります。元広告代理店勤務の経験を生かして、「こういうこと書かなきゃ駄目じゃないですか」と駄目出ししていて面白いですね。

◆「どんな人でもイケメンに!美容師アピールちゃんNo.1決定戦」では、2人の美容師の方が登場しました。

以前放送した特番『平気なの!?って聞くTV』で「どんな人でもイケメンにできると豪語する美容師、平気なの?」という企画をやったら、手応えがあったのでこの番組に合うようにアレンジしてみました。もともと引っ込み思案だった男性たちが、髪を切っただけで顔つきや話し方が劇的に変わります。外見だけじゃなくて、“内面のビフォーアフター”に注目しているので、オリジナリティーのある企画になったと思います。

◆そのロケには、日向坂46の佐々木久美さんが参加されていました。

うまく話せない男性のペースに合わせて、しゃべってくれる優しい人ですよね。『プレバト!!』に出演してもらった時に、勉強熱心で前向きな姿勢と、梅沢(富美男)さんの心を一瞬でわしづかみする様子を見て、今回お願いしました。シャイな男性って、やっぱり佐々木さんと目が合わせられないんですけど、何とか彼らの心を開かせようと下からのぞき込んでいくところはさすがトップアイドルだと思いました(笑)。

◆セットや演出がポップでかわいらしいですが、こだわったところを教えてください。

ありがとうございます。実は、自分も40歳を過ぎたので、こんなポップなセットを作るのはそろそろ恥ずかしいなって思って、当初はおとなしく作ろうかなと思ったんです。そしたら、作家さんたちから「得意なことは何歳になっても恥ずかしがっちゃ駄目でしょ」って言われちゃって…(笑)。だから褒めてもらえるとうれしいです。ちなみに今回新しく試してみたのは、出演者が判定ボタンを押したら画面いっぱいに、それぞれの似顔絵イラストで埋め尽つくされていく演出です。ああいうARのようなポップな画面は、スマホではすっかりおなじみですし、ボタンを押した出演者のテンションも上がっていたので効果的な演出だったと思います。

◆最後に番組の見どころを教えてください。

「アピール」ってとても今っぽいワードなので、番組を見ていただけたら今の日本の価値観や幸せの秘訣、人付き合いの仕方が見えてきます。謙遜を美徳とする日本人は、アピールがあまり得意じゃないし、好きじゃないと思っていました。でも、取材を進めるとSNSが普及した今ではアピールは大切なことだし、やり方を工夫すると人生がすごく変わったりすることが分かりました。そのあたりを驚きながら楽しんでもらえるとうれしいです。

PROFILE

水野雅之
●みずの・まさゆき…1977914日生まれ。愛知県出身。『プレバト!!』『初耳学』『教えてもらう前と後』を企画したプロデューサー。現在は『プレバト!!』の総合演出を担当。 

番組紹介

『愛しのアピールちゃん』
2021523日(日) MBSTBS系 後330454

<スタジオ出演者>
指原莉乃、佐藤栞里、ハライチ(岩井勇気、澤部佑)、有岡大貴(Hey! Say! JUMP

VTR出演>(50音順)
アインシュタイン、小倉優子、空気階段、佐々木久美(日向坂46)、サーヤ(ラランド)、田中道子、向井慧(パンサー)、村重杏奈(HKT48)、本髙克樹(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)ほか

<ナレーター>
落合福嗣

©MBS

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025冬ドラマ最新情報まとめ2024→2025 年末年始・お正月特番一覧