ネオ「この曲を聴いて未来につながっていくこともあるんだなと気付かされた」
◆さてBiSは2ndシングル『TOUCH ME / LOVE』を5月26日(水)にリリースしたわけですが、「TOUCH ME」はすでにライブでもやっているんですよね。
ティ部:「KiLL YOur WiNTerxxx」(2020年10月〜)というツアーで初めて歌ったんですけど、その時点では自分たちもこれをいつ音源化するのかわからない状態で。そのツアーが久しぶりに有観客での開催だったこともあって、その場に来てくださった人たちにこの曲をどれだけ伝えられるかというところはすごく大事にしていました。そうやって温めに温めてきたので、本当に意味があるものになったなと思います。
◆自分たちにとっても思い入れの深い1曲になった。
トギー:この曲を初めて聴いた時のことを、私はすごく覚えていて。“いつもそばにあなたはいたし”というフレーズを見た時に思い浮かんだのが、研究員(※ファン)のことだったんです。コロナ禍になってすぐの頃にこの曲を受け取ったんですけど、無観客でしかライブができないとなった時に聴いたら、すごく(研究員に)会いたくなって。こんなふうに会えなくなるとは思っていなかったので、すごく大切だったんだなと改めて実感しました。
◆同じ“あなた”という言葉でも、人によって異なる相手を思い浮かべられる曲でもあるのかなと。
チャント:それぞれに大切な人がいると思うんですけど、私はこの曲を聴いた時に少し遠くにいる“大切な人”を思い浮かべて。私は福岡から上京して活動しているので、地元にいる家族や親友を思い出す時もあれば、たとえば誰かを傷付けてしまって後悔している時の気持ちを想像して歌っている部分もあります。パートによっても、頭に浮かぶ“大切な人”が違っていて。もちろん研究員のことが浮かぶ部分もあるし、本当にいろんな愛に当てはまる曲だなと思います。
ティ部:それがいいんですよね。本当にそれぞれの捉え方で聴いてほしいなと思っていて。
◆それぞれが自由な解釈で受け取ってほしい。
チャント:ティ部は、お父さんなんだよね?
ティ部:私はお父さんとか、家族のことが思い浮かびますね。自分が一番逃げていた時期や本当に落ちていた時期に陰で救ってくれていたのが父だったから。でももうその頃には戻れないんですよ。だから“見ていてほしいな”という思いもすごくあって、まだ上手に伝えられていないけど、父が元気なうちに恩返しがたくさんできたらなと思いました。
ネオ:YouTubeのコメント欄でも、“この曲を聴いて親と話してみようと思った”という書き込みがあって。それを見て、過去の後悔した気持ちも変えてくれるだけじゃなくて、この曲を聴いて未来につながっていくこともあるんだなと気付かされたんです。“大切な人をより大切にしよう”と思える曲ですね。
トギー:過去に対する後悔を感じる曲ではあるんですけど、すごく希望を感じられる曲でもあって。“過去は戻らないけど、それでも前を向いて生きていこう”みたいな気持ちにさせてくれるので、すごく勇気をもらえる曲だなと思っています。