◆そんな綺羅莉の存在を、藤井流星さん演じる視鬼神真玄が脅かします。
「ハリーポッター」でいうスリザリン同士というか。ヘビとトラがずっとしゃべっているみたいな感じでした。不気味さというか、かみ合ってない感じのお芝居は楽しかったです。そこまで顔に出ていませんが、書記の五十嵐清華(中村ゆりか)に対する視鬼神の態度に珍しくイライラしているので、ファンとしてはたまらない展開でした(笑)。また、これまでの綺羅莉は先手を打って完璧に行動してきたと思うんですが、それが今回視鬼神の存在によって、一瞬崩れたようにもなる。そんな思惑どおりにいかないところにはヒヤリとしました。そういうシーンでは、綺羅莉の感情みたいなものが垣間見れるかもしれません。
◆ドラマ『ぼくは麻理のなか』以来、共演も多い中村ゆりかさん演じる五十嵐との関係性も見どころです。
これまでの映画やドラマでは触れられなかった五十嵐との関係性を守ろうとするシーンがあって、そこでは珍しく感動的な感じになっているんです。ゆりかちゃんに関しては、これまでの関係性もあるので、お芝居のすり合わせもないですね。以前、台風だった時に私をすごく心配してくれたみたいで、「大丈夫?」とテレビ電話してくれたんです。私は全然大丈夫だったんですが、ゆりかちゃんが「これ見て!」と見せてきた冷蔵庫にネギしか入ってなかったんです。「ゆりかちゃんの方こそ、大丈夫?」な気持ちになりましたけど、本当に変わった子なので大好きなんです(笑)。
◆主要キャラが一堂に会する「指名ロシアンルーレット」のシーンはいかがでしたか?
今回、綺羅莉として初めて賭場に下りたのですが、「これが賭場の緊張感か!」と思いました。独特の静けさがあって、自分がせりふを言っている時でも思わず吸い込まれそうになるんです。「今までみんなここでお芝居していたんだ」と思うと原作ファンとしても感動しましたし、カッコよさも感じました。夢子とはただの敵ではなく、2人らしい関係性が築けたという意味では、演じる上での満足感がありました。