ジャニーズWEST・藤井流星さん演じる悪役ぷりも話題の「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」。みんなからもてあそばれるモブキャラでおなじみ、鈴井涼太を演じる高杉真宙さんが、キャラの成長や現場裏話、先ごろ発表した自身の会社設立についても語ってくれました。
◆鈴井役を初めて演じた、ドラマ版『賭ケグルイ Season1』(2018年)から、今回2年ぶりに演じた映画版まで、鈴井のキャラクターとしての成長をどのように捉えていますか?
鈴井君はモブキャラで、基本いじられキャラなのはずっと変わっていません。でもゆっくりゆっくりではあるけれど、成長もしているんです。今回の映画を見ると、そのゆっくりした成長度合いが目に見えて分かると思いますね。それまで否定していたギャンブルを肯定し、信じることで自分自身も参加する。そんなスタンスに注目してもらいたいです。ただ、劇中の時間軸的には半年ぐらいなんです(笑)。
◆高杉さん自身における心境の変化は、いかがですか?
同時期に撮影していたものも含め、5作品ほどあるんですが、それだけ慣れ親しんだ現場と言えます。とにかく「また、この現場に帰ってきたな」という感じがするんです。ただ自分の芝居の手の内がばれているので、常に「それ以上のものをいかに発揮できるか?」というプレッシャーも感じています。だから、これからも英勉監督含む、スタッフさんの期待に応えながら、自分も成長していきたいと思っています。
◆英監督とは、ほかにも映画「トリガール」(2017年)、映画「前田建設ファンタジー営業部」(2020年)でもご一緒されていますが、どのような監督ですか?
英監督の現場でキャストを盛り上げてくださる士気というか、スタイルは一貫していると思います。毎朝、僕らがメイクしている部屋にやってきて、今日撮るシーンについて話してくださるんです。そこで「こういうのがいいんじゃない?」「ああいうのもいいよね?」と、いろいろ促してくださるんです。そういうこともあり、自分から動きたくなる現場だと思います。監督とは初めましてだった「トリガール」の時は、自分からアクションを起こせる役どころではなく、周りがうらやましかったんです。だからこそ、次に呼んでいただいた「賭ケグルイ」では、いろいろ楽しみながらやらせてもらっているのかもしれません。
◆今回の新キャラとなる視鬼神真玄。彼を演じたシリーズ最凶最悪の悪役を演じた藤井流星さんとは、ご飯に行ったそうですね?
焼き肉に行きました! もともと「賭ケグルイ」の現場は、女性キャストばかりなのです。今回はいつも僕をイジってくれる矢本悠馬さんがほとんどいなかったこともあり、かなり寂しかったんです。そんな時、藤井さんと「男性キャスト、少ないっすねぇ」と話になって、それからいろんなお話をするようになったんです。それで、僕も共演したことがあるジャニーズWESTの小瀧望君が出演した舞台「エレファントマン」を一緒に見に行くことになり、ご飯にも行くことになったんです。ただ、僕の方から誘ったのではなく、藤井さんから誘っていただきました。年齢が離れた先輩の方に「ご飯行きましょうよ」と言えるようになったんですが、同年代の方にはまだうまく言えないんですよ。
◆劇中では高杉さんと早乙女芽亜里を演じた森川葵さん、いわば15年放送のドラマ『表参道高校合唱部!』出身者である2人が突然ミュージカルナンバーを歌い出す驚きのシーンもあります。
ドラマ版『賭けグルイ Season1』の時、英監督との会話で「何が苦手なの?」という話になったんです。それで、僕と森川さんが「歌うこと!」と答えたんですが、それを覚えていたのか、まるで罰ゲームのように今回の台本にはミュージカルシーンが入っていました。苦手なりに全力で頑張りました。今回は映画館で流れても大丈夫なように仕上げていただきましたが、その時は「ダンスも苦手」と言っていたんですよ。だから、次回作ではひょっとして、ひょっとするかもしれません(笑)。
◆先行配信された『賭ケグルイ双』では萩原みのりさんと、4月に公開された「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」では芳根京子さんと、森川さん以外も『表参道高校合唱部!』出身者との共演が増えています。
さすがにこの年齢となってくると、いわゆる普通の学園ドラマでは会う機会はなくなってくると思うんです。そんなタイミングで、森川さん、萩原さんと待機場所で一緒になった時は、同窓会的なうれしさもありながら、ちょっと変な感じがしました。普通の学園ドラマじゃない『賭ケグルイ』ならではだなって(笑)。
◆もし続編がまた2年後に製作されるなら、それまでに用意しておきたいことは?
作品数が増えてきた分、とりあえず見返すという作業が大変になってくる中でできるだけ鈴井と離れない気持ちでいたいです。あとは表情筋を柔らかくして、自分でできる顔芸のバリエーションを増やすことでしょうか(笑)。
◆話は変わりますが、4月17日のインスタライブで、株式会社「POSTERS」を設立されたことを発表されました。
24歳という年齢での独立、会社立ち上げに関して言えば、「ちょっと早いんじゃないか?」と思ったりもしましたが、諸々のタイミングなども合った上での行動でした。なので、決心や決断といったものとも違う気もします。「POSTERS」では、もちろん俳優をやっていきますが、皆さんがワクワクすることもやっていきたいです。インスタライブでは社名が書かれたパーカーを着たのですが、そのほうが「設立しました!」感が出ると思っただけで、別にアパレルブランドを立ち上げるわけではありません。しかも、東京の友達と3人で立ち上げたのに、パーカーは今のところ2着しかないんですよ(泣)。
PROFILE
高杉真宙
●たかすぎ・まひろ…1996年7月4日生まれ。福岡県出身。A型。主な出演作に『仮面ライダー鎧武/ガイム』『セトウツミ』『私たちはどうかしている』、映画「虹色デイズ」「ギャングース」など。現在『賭ケグルイ双』がAmazon Prime Videoで配信中。ファーストフォトエッセイ「僕の一部。」(幻冬舎)も発売中。
作品紹介
「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」
2021年6月1日(火)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
(STAFF&CAST)
原作:河本ほむら・尚村透
監督:英勉
脚本:高野水登、英勉
出演:浜辺美波、高杉真宙、藤井流星(ジャニーズWEST)、松田るか、岡本夏美、柳美稀、 松村沙友理(乃木坂46)、小野寺晃良、池田エライザ、中村ゆりか、三戸なつめ、矢本悠馬 / 森川葵
(STORY)
ギャンブルの強さで生徒の階級が決まる私立百花王学園。生徒会長・桃喰綺羅莉(池田)が、謎の転校生・蛇喰夢子(浜辺)に危機感を募らせる中、生徒会への上納金を支払えない“家畜”の人数が増加し、彼らによる生徒会役員への公式戦ギャンブルが横行していた。そんな中、2年前にある事件を起こして、学園を追われていた男・視鬼神真玄(藤井)が舞い戻る。
©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX ©2021 「映画 賭ケグルイ2」製作委員会
●photo/映美 text/くれい響 hair&make/堤 紗也香 styling/荒木大輔