駒井蓮インタビュー「いかに自分を生かすかをテーマに挑んだ思い出深い作品に」映画「いとみち」

特集・インタビュー
2021年06月18日

◆祖母役の西川洋子さんは津軽三味線の巨星・高橋竹山さんの弟子ですが、共演されていかがでしたか?

西川さんは私が三味線を習った師匠と流派が違うこともあって、弾き方が全く違ったんです。そのため、2人でセッションするシーンでは、何の曲をどのようにやるかと何度も話し合いました。結果、2人の弾き方は違っても、違う世代が同じ曲を演奏するという味わいを出しているんです。でも、セッションする時はドキドキしました。

◆父親役の豊川悦司さんとの共演はいかがでしたか?

打ち合わせの時に初めてお会いしたんですが、その時に監督を交えて、相馬家について話し合いました。ただお父さんとのシーンはけんかばかりということもあり、現場に入ってからは、豊川さんと話した記憶があまりありません。あえて私との距離を取られていたのかもしれません。ただ最終日に突然、身長について「170cmあるでしょ?」って言われました(笑)。実際にはないのですが。

◆いとがアルバイトするメイドカフェの面々との撮影エピソードを教えてください。

みんな世代が違うのに、仲が良くて空き時間にふざけ合ってわちゃわちゃしてましたし、昼ご飯も一緒に食べていました。黒川芽以さんが頼りになるお姉さんで、私が悩んでいる時も相談に乗ってくださいました。横田真悠ちゃんは天然な感じが、中島歩さんは独特なテンポ感が面白いんです。撮影が始まったころに監督に「ちょっと距離感が近い」と言われましたが(笑)、そんなメンバーだったからこそ、みんなで支え合いながら撮影を乗り越えられたと思います。

◆本作は「大阪アジアン映画祭」において、グランプリ&観客賞を受賞しました。横浜聡子監督作の魅力を教えてください。

横浜さんが描く登場人物は、クセがあって面白くて、キャッチーなのにどこか繊細だということ。あとせりふがない静寂のシーンが魅力的なんです。そのシーンを見るだけで、その人の生き方や考えみたいなものが見えてくるんです。今回、撮影中からすてきな作品になると思っていましたが、青森県外の方に評価されたことはうれしいと同時に、びっくりもしました。

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