篠原ゆき子さんが主演を務める映画「女たち」が6月1日(火)より全国公開。豊かな自然に包まれた田舎町で、風光明媚な景色とは正反対に、日々淀んだ生活を送る美咲(篠原)。友人の死や母親の介護など、彼女の身の回りに起きるいくつものつらい現実…。それでも強く生きようとする女性たちの姿を真正面から捉えた本作で体当たりの演技に挑んだ篠原さんに、撮影を終えての心情を伺いました。
◆重く、深く、痛みのある作品ですが、最初に脚本を読んだ時はどのような印象でしたか?
実は、この映画は企画の段階から話し合いに参加をさせていただいていたんです。ですから、物語の雰囲気も方向性もあらかじめつかめていたので、大きな驚きというのはなかったです。ただ、意外さはありました。というのも、内田伸輝監督とは2012年に「おだやかな日常」という作品でご一緒したことがあり、偶然にも共通の友人がいたことで、私のプライベートな一面もよく知ってくださっていたんですね。その内田監督が私に向けて当て書きをしてくださるというので、どんな話になるのか楽しみにしていたんです。普段の私は根明(ねあか)と言いますか、かなり明るい性格だと自分では思っているので、そういう役なのかなと思っていたら、まさかの不幸のどん底の役で(笑)。そこはちょっと不思議でした(笑)。
◆当て書きにも、その役者のパブリックイメージに合わせたものや、別の一面を引き出したいと思って書かれる場合など、いろんなパターンがありますよね。
そうなんです。きっと監督にとっては後者だったんだと思います。また、監督は最初から「生き方が不器用な人間を描きたい」とおっしゃっていて。そこは私も同意見でしたし、この作品を通して、多くの女性に共感を持っていただけたらなと思っています。