◆もしも結木さん自身が劇中のような極限状態に立たされたら、どうしますか?
物語の冒頭、避難所の家族たちが貴重なカップラーメンを懸けて障害物レースで競い合うシーンがあるんです。僕も大輝同様、わりと運動神経がいい方なので、必死で一位を取りにいくと思います(笑)。やっぱり食事ができないのはつらいですよね。おなかが減っていたら、何もできなくなってしまいますから。僕の中で特に重要なのが“みそ汁”。無いと食事を取った気がしないんです(笑)。逆に大輝と違うのは、僕はうまく機転を利かせたり、知恵を働かせたりできるタイプではない。だから、祥子さんのような“参謀”に一緒にいてほしいです。そういう人とタッグが組めれば、かなり長いこと生き残れるのではないかと思います(笑)。
◆結木さん自身が思うこの作品の魅力とは?
脚本が抜群に面白いです。設定やストーリー展開にも引き込まれますが、何よりヒューマンドラマとしての魅力が大きい。劇中ではさまざまな人間関係が描かれますが、僕が一番好きなのは、偽装家族で大輝の“妹”に当たる女子高生の陽菜(久間田琳加)と、避難所のご意見番的存在である椿(銀粉蝶)さんの関係。ストーリーが進むにつれて2人の意外なつながりが明らかになっていくので、そこもぜひ注目していただきたいです。
◆このドラマを通じて、どんなことが伝わったらいいなと思いますか?
作品のテーマは、“生きる”ということ。劇中で「生きる意味や価値は、その時々で違っていていい」というようなせりふが出てくるのですが、僕もそのとおりだと思います。今、コロナ禍の中で皆さんいろいろな思いを抱えていらっしゃると思いますが、生きてさえいれば明日がある。悩みや不安が少しでも減って、「明日も頑張ろう!」と思っていただけるような、そして希望を感じていただけるような、そんな作品になったらうれしいです。