結木滉星、『#コールドゲーム』で偽装家族の長男役 新境地に「“来たな!”と思いました」

特集・インタビュー
2021年06月05日

結木滉星さんが出演するオトナの土ドラ『#コールドゲーム』(フジテレビ系 (土)後1140)が6月5日にスタートする。同作は隕石衝突の影響でマイナス45度の氷河期に突入した近未来を舞台に、主人公の天才詐欺師・木村祥子(羽田美智子)が偽装家族を作ってたくましく生き抜く姿を描くサバイバルストーリー。結木さんはその偽装家族の“長男”木村大輝を演じる。表と裏の顔を持つ難役で新境地に挑む結木さんに、その意気込みをお聞きしました。

◆最初に大輝役のオファーを受けた時、率直にどんなことを思いましたか?

ここまで二面性が強く、陰のあるキャラクターは今まで演じたことがなくて。そういう役を頂けたことがすごくうれしくて、“来たな!”と思いました。大輝は、表向きは爽やかなイケメンで身体能力も抜群ですが、それはあくまで彼自身が意識して装っている仮の姿。裏では恋人とその父親を死に追いやった人物への復讐心を燃やしているんです。そういう本当の姿は、偽装家族の前でもめったに見せない。ちょっとサイコパス的な部分もあって演じるのは難しいのですが、とてもやりがいを感じています。

◆大輝を演じる上で、どんなことを意識していますか?

“オモテの大輝”と“ウラの大輝”のバランスは、特に意識しています。ただ、あくまで大輝の軸になっているのは、ウラにある復讐心。台本を読んだ段階でそうした負の感情を作っていくところから始めようと決めたので、そこだけは絶対にブレないように大切に演じていきたいと思っています。

◆氷河期に突入した近未来が舞台となっていますが、撮影はいかがですか?

極寒の世界という設定なので、衣装をたくさん着込まなければいけないんです。だから、4枚、5枚と重ね着した上にダウンも羽織っていて、もう暑くて暑くて(笑)。それで気が緩むと監督からすぐに「今、全員寒さ忘れているよ!」と指摘されてしまうので、そうならないように意識しています。

◆もしも結木さん自身が劇中のような極限状態に立たされたら、どうしますか?

物語の冒頭、避難所の家族たちが貴重なカップラーメンを懸けて障害物レースで競い合うシーンがあるんです。僕も大輝同様、わりと運動神経がいい方なので、必死で一位を取りにいくと思います。やっぱり食事ができないのはつらいですよね。おなかが減っていたら、何もできなくなってしまいますから。僕の中で特に重要なのが“みそ汁”。無いと食事を取った気がしないんです。逆に大輝と違うのは、僕はうまく機転を利かせたり、知恵を働かせたりできるタイプではない。だから、祥子さんのような“参謀”に一緒にいてほしいです。そういう人とタッグが組めれば、かなり長いこと生き残れるのではないかと思います

◆結木さん自身が思うこの作品の魅力とは?

脚本が抜群に面白いです。設定やストーリー展開にも引き込まれますが、何よりヒューマンドラマとしての魅力が大きい。劇中ではさまざまな人間関係が描かれますが、僕が一番好きなのは、偽装家族で大輝の“妹”に当たる女子高生の陽菜(久間田琳加)と、避難所のご意見番的存在である椿(銀粉蝶)さんの関係。ストーリーが進むにつれて2人の意外なつながりが明らかになっていくので、そこもぜひ注目していただきたいです。

◆このドラマを通じて、どんなことが伝わったらいいなと思いますか?

作品のテーマは、“生きる”ということ。劇中で「生きる意味や価値は、その時々で違っていていい」というようなせりふが出てくるのですが、僕もそのとおりだと思います。今、コロナ禍の中で皆さんいろいろな思いを抱えていらっしゃると思いますが、生きてさえいれば明日がある。悩みや不安が少しでも減って、「明日も頑張ろう!」と思っていただけるような、そして希望を感じていただけるような、そんな作品になったらうれしいです。

◆ちなみに、このコロナ禍の中で結木さんのストレス解消法はありますか?

『主夫メゾン』という作品で主夫を演じさせていただいてから、料理にハマっていて。それまではチャーハンやパスタくらいが関の山だったのですが、今はだいぶレパートリーが増えてきました。最近作ったのは麻婆豆腐、油淋鶏、アラビアータとか。辛い物が好きなんです。自分で料理をすると、好みの辛さに調整できるからいいなと。今は料理をして食べることがいい気分転換になっています。

PROFILE

結木滉星
●ゆうき・こうせい…19941210日生まれ。大分県出身。A型。『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でドラマ初主演。以降、『危険なビーナス』『僕だけが17歳の世界で』『主夫メゾン』などに出演している。

番組紹介

#コールドゲーム』
フジテレビ系 毎週(土) 後1140~深035

STAFFCAST
原作&脚本:小松江里子
演出:千葉行利、後藤庸介
出演:羽田美智子、結木滉星、久間田琳加、やす(ずん)、中村俊介ほか

STORY
「絶対、勝つ!」そう意気込むのは木村家の主婦、祥子(羽田)。小学校の体育館で行われているのは、家族対抗障害物競争だ。皆興奮し異様な熱気に包まれている。息子の大輝(結木)、娘の陽菜(久間田)そして夫の隆(やす)、と必死の形相でバトンをつなぎ、アンカーの祥子へ。先を走る競争者を転ばせ踏み越えて、なりふり構わず1着でゴール!「うぅぅまいっ!」「生き返るッ!」「もう死ぬまで食えないと思ってた!」「あっったかい!」賞品のカップ麺にわき目もふらずにがっつく木村家の面々。窓の外は――ゴウゴウと吹き荒れる猛吹雪の中、あたり一面に分厚い氷の世界が広がっていた。
時は西暦 20XX 年。隕石落下の影響で地軸が大きく変動し急激に寒冷化、マイナス 45度の氷河期に突入した地球。あらゆる文明が氷漬けとなり、避難所に逃げ込んだわずかな生存者たちは、限りある食糧や資源を分け合いながら共同生活を送っていた。どこかにある政府救援本部からいつか救助が来ることを信じて。祥子たちが逃げ込んだ避難所第七支部は地熱の高い土地に建つ旧小学校を改築した施設で、何とか人が暮らしていける設備がそろっている。しかし、第七支部を取り仕切る支部長の元衆議院議員・如月(中村)は、“愛をモットーに生き抜こう”と方針を掲げながらも、部屋割りや配給など全てを家族優先で行っていた。集団は家族単位で管理するのが鉄則なのだと。当然、単身避難者からは不満の声が。「俺たちだって避難者なんだ! 好きで一人になったわけじゃない! 家族とはぐれただけなんだ!」そんな苦情渦巻く中、「ほんとあたしたち、家族一緒でよかったわね」ニヤリと笑う祥子…。
実は氷河期のおかげで服役中の刑務所から脱出していた祥子。職業は前科 2 犯の天才詐欺師。如月支部長の下、家族優先で運営される避難所を生き抜くために、夫・息子・娘になりそうな3人の生存者に協力を呼びかけ、家族を“偽装”するという道を選んでいたのだ。そこまでして祥子が生きる理由はただ一つ、「あなたに子供を育てることはできない」と強引に引き離され、この氷河期で生き別れとなった幼い息子との悲願の再会。「あの子もどこかで絶対に生きているはず…」生きて息子に会うまでは、どんなことをしてでも生き延びる覚悟だった。
木村家を“偽装”する大輝、陽菜、隆も、誰にも言えない“生きたい理由”を秘めていた。しかし、今は誰もが生き延びるために必死な極寒の氷河期。避難所第七支部では、「身元を隠して家族のフリをして優遇されている者がいる」という噂が流れ始め、殺伐とした空気が…。混乱する避難所の中で、天才詐欺師・祥子の選択がさらなる波乱を生んでいく! 避難所を支配する支部長・如月との知られざる因縁も明らかになり…!? 次第に第七支部の注目を集めていく木村家。祥子、大輝、陽菜、隆らの運命は…?
生き抜くためならどんな手段もいとわない、ずるく賢くチャーミングに!
力強く生きる人々を完全オリジナル脚本で描く、マイナス 45度の世紀末サバイバルストーリー!!

photo/小澤正朗 text/海老原誠二

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