6月19日(土)に第11話を迎える、泉里香主演のオフィスラブコメディ『高嶺のハナさん』(BSテレ東 毎週(土)深0・00)。この作品で、小学5年生で恋愛スキルが止まっている高嶺華(泉)と年下のダメ社員・弱木強(小越勇輝)の2人の恋の邪魔をするプレーボーイ社員・更田元気、通称“チャラ田”を演じる猪塚健太さんにインタビュー。泉さんからハマり役と太鼓判を押されるチャラ田の役作りや、チャラ田とは正反対だという素のキャラクターについて教えてもらいました。
◆回を重ねるごとにチャラ田の魅力が増してきました。
そうですね。チャラチャラしている部分だけでなく、どんどんチャラ田の人間らしさが出てきたんじゃないかなと思います。これから最終話に向けて、華さん(泉)に対しての気持ちの変化や原作には描かれていないチャラ田の素の部分がさらに出てくるので、ぜひ最後まで楽しみに見ていただきたいです。
◆泉さんから猪塚さんはチャラ田にハマり役だと伺いましたが、猪塚さんは“更田元気”通称 “チャラ田”という役名を聞いた時はどのように思いましたか?
「“チャラ田“か~…」と思いました(笑)。素の僕はチャラ田とは正反対のところにいる人間なので。ただ、チャラい役柄を頑張って演じているというふうには思われたくないので、なんとか自然にチャラ田を演じられるように頑張りました。台本をもらい本格的に役作りを始めてからは僕自身も自然とチャラさが出てきてしまったようで、周りの方から「ノリが軽くなったね!」と言われることがありました(笑)。
◆では、素の猪塚さんはどんなキャラクターなんでしょうか。
僕はチャラ田とは本当に真逆で、真面目で繊細な人間なんです。…何で皆さん笑ってるんですか?(笑) でも、小学3年生のころから高校2年生ごろまでずっと自主的に学級委員をやっていたくらい真面目なのは本当で、いわゆる不良やチャラチャラとした行動とはずっと無縁で生きてきたんです。だから今回チャラ田を演じるに当たっては、自分が苦手だなと思う行動を思い出しながら、こういう言い方をしたらイラつかせるだろうな…とか考えて臨みました。
◆小越さんが、猪塚さんのチャラい演技が素晴らしいと。リハーサルから本番までいろんなアレンジを加えてお芝居をするので、どれだけ“チャラ”のストックがあるんだろうと絶賛してらっしゃいました。
本当ですか(笑)。チャラい言い回しや口調は何となくイメージできるんですけど、特に“動き”には意識しました。そうすることでチャラさが倍増することが多いと思って。芸人さんのコントやネタを参考に、普段こんな動きしないでしょというような誇張した表現の中から「あ、これ使えそうだな」とチャラ田の動きの着想を得ることもありました。あとは、僕の中で“元祖チャラ男”の藤森慎吾さんのYouTubeチャンネルを見たり。単にチャラいノリをまねするのではなく、普段藤森さんはどんな日常会話をしているんだろう? とか、どんなテンションで振る舞っているんだろう? と気になったので、特にクランクイン前は藤森さんの動画を見てチャラさの大先輩の生活を勉強させていただいていました(笑)。
◆役作りもかなり真面目に取り組まれたんですね。
そうやってなるべくストックをしておいて、撮影の前日に「明日のチャラ田はこういう動きをしよう!」と超真面目に考えていましたね(笑)。
◆その中から、既に放送で登場した猪塚さん渾身の“チャラ”はどれでしょうか?
そうだなぁ…。第1話での“足上げ”でしょうか。あれは完全に「落としに行くぞ」という意思の表れなので。あの“足上げ”は現場でも大好評で、別のシーンでも使えるんじゃないの? という声も上がったんですよ。やってみて良かったです(笑)。
◆でも、普段の自分とは正反対のキャラクターを演じるのは大変ではないですか?
正直、演技が終わった後は結構疲れていました。ある日の撮影ではチャラさ盛りだくさんのシーンがあって。僕は汗だくになりながら一生懸命撮影に挑んだんですけど、朝一のシーンだったこともあって撮影後には疲弊していましたね(笑)。
◆家に帰ったら猪塚さんはどんな感じになりますか?
家に着いた瞬間に仕事のスイッチがオフになるので、多分視覚的にも僕の色は灰色に変わっていたんじゃないかな思います(笑)。
◆夜遅くまで撮影をすることもあったとのことですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
いつも和やかでしたよ。やっぱりコメディ作品ですし、メインキャストの4人がそろう日も多かったので、待ち時間はいろんな話をしながら楽しく過ごしていました。特に泉さんは実際にお会いするまではクールな方だと思っていたんですけど、話してみたら本当に気さくでいつも笑顔。カメラが回っていない時でもみんなに話しかけて場を和ませてくれたり、モニター越しに笑わせてくれたりして、現場を和やかな雰囲気にしてくださいました。その雰囲気はきっと画面越しにも伝わっているんじゃないかなと思います。
◆猪塚さんはメインキャストの4人の中ではどんなスタンスでいることを意識されていますか?
今回チャラい役ということもあって、僕はそれぞれ個性的なキャラクターの4人をつなげる“円滑材”のような存在でいようと思っていました。小越君が人見知りということも僕は知っていたので「泉さんに自分から話しかけにいっておいで!」と声を掛けたり、4人がそろった時はみんな疲れているとは思うんですけどなるべくたわいもない話ができるような話題を振ったり。あとは苺役の香音ちゃんは撮影が始まった当初はまだ19歳でドラマの現場もあまり慣れていないと思ったので、みんなが居やすい雰囲気にしていきたいなと。自分なりにですが意識して日々過ごしていました。
◆だから抜群のチームワークが作品を通して伝わってくるんですね。
だとしたら僕はすごくうれしいです。
◆では最後に、最終話に向けての見どころやチャラ田の注目してほしいポイントを教えてください!
回を重ねるごとにどんどんコメディ具合がエスカレートしながらも、一歩一歩、着実に距離を縮めていく華さんと弱木の恋愛模様をぜひ皆さんに最後まで見届けていただきたいなと思います。そこに割り込んでくるチャラ田は、チャラチャラしているし見ていてウザいなという時もありますが、当て馬としてしっかり役割を果たそうと思っているので(笑)、そこもぜひ楽しみにしていただきたいです。チャラ田が彼なりに恋愛をしていく様子や、心情が変わっていくさまなど、チャラいだけじゃない彼の成長にも注目していただきたい。でも、とにかく笑って楽しめる作品なので、シンプルに皆さんには楽しんでいただきたいです。
PROFILE
猪塚健太
●いづか・けんた…1986年10月8日生まれ。愛知県出身。AB型。最近の出演作にドラマ『サロガシー』、映画「劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜」、舞台「私の頭の中の消しゴム 12th Letter」(オンライン配信)など。
番組情報
真夜中ドラマ『高嶺のハナさん』
BSテレ東 毎週(土)深0・00~0・30
テレビ大阪 毎週(土)深0・56~1・26
(STAFF&CAST)
原作:ムラタコウジ 脚本:岡庭ななみ、宮本勇人
監督:内藤瑛亮、堀江貴大、高杉考宏、塚田芽来
出演:泉里香、小越勇輝、香音/猪塚健太
公式サイト:https://www.bs-tvtokyo.co.jp/takanenohana/
©「高嶺のハナさん」製作委員会2021
●text/山村千晴