◆乃木真梨子という役を、どのように演じようと思われましたか?
最初に私が登場する時は乃木真梨子ではなく、人生に物足りなさを感じていた化粧品会社の美容部員・千葉みゆきです。彼女が1本のビデオを手にしたことで運命が変わっていくのですが、最初のころは「村西さんに近づきたい」「村西さんに見てもらいたい」といった彼女の本能的な衝動が重要になるので、そこを意識して演じるよう心掛けました。後半では彼女の願いがかない、乃木真梨子になるのですが、やっぱり黒木香の魅力にはかなわないと思い始めるんです。そういう意味では、私も黒木を演じられた森田望智さんの存在の大きさを意識し、その焦りみたいなものを役にリンクさせながら演じていきました。
◆村西とおる役の山田孝之さんや、映画「タイトル、拒絶」でも共演された伊藤沙莉さんらとの現場はいかがでしたか?
前シリーズから出演していた沙莉ちゃんが現場にいてくれたことで、すぐなじむことができました。コロナ禍での撮影だったので、ある程度の距離を取りながら、皆さんとは和気あいあいと、よく世間話をしていました。そのため、私もマイペースでいることができました。山田さんは毎日大変なシーンがあって、常に集中されていたので、あまりお話をする機会がありませんでした。ちょっとだけミュージカルのお話をしたことだけは覚えています(笑)。
◆セットのスケール感など、これまでの作品との違いは感じましたか?
「ダイヤモンド映像」の会社など、セットや内装がとても豪華でしたし、エキストラさんの数も尋常じゃなかったです。例えば渋谷駅のハチ公前を再現したシーンを撮った栃木のオープンセットでは、何千人ものエキストラの方が集まってくださったのですが、皆さん30年前のファッションとメイクをしていて、本当にすごかったんです。そのように、毎回毎回、驚かされることが多かった現場でした。