話題を呼んだ前作から2年。全世界待望の『全裸監督 シーズン2』が6月24日(木)よりNetflixにて全世界独占配信。再び黒木香役を演じた森田望智さんに、前作を経て今の作品に対する思いや、撮影エピソードについて振り返ってもらった。
◆前作『全裸監督』が配信されたことで、周囲で大きな変化はありましたか?
映画やドラマの現場でお会いした方は、ほぼほぼ皆さんご覧になっていて、その反響の大きさにびっくりしました。また、街を歩いていると、外国人の方から「Are You Netflix?」と聞かれることもあり…。私はNetflixではないんですが…(笑)。韓国の釜山映画祭に招待された時も多くの方がご覧になられていて、うれしかったです。韓国でのタイトルは『肌色の監督村西』というらしく、「黒木!」と言われるより、「肌色の監督!」と言われることが多かったです。
◆シーズン2が決まったことでの不安やプレッシャーみたいなものは?
シーズン1の時点からシーズン2をやることは知っていたので、特別驚いたということはなかったんです。でも、いざシーズン2をやるとなった時に、「シーズン1を超えるものにしなきゃいけない」という気持ちになりました。自分の役ももっと難しくなるという不安もありましたし…。
◆再び黒木香という役を演じるにあたって大切にしたことは?
シーズン1の時は、恵美という女の子が「自分がこうありたい」と願う姿に向かって進んでいくことを大切にしていました。シーズン2では、そんな彼女がたどり着いた黒木香という像が、いつの間にか仮面のようになって、どんどん黒木香という状態を外していくんです。そして恵美に戻っていくわけですが、それはあくまでも黒木香を生きた恵美なんです。そんな進化というか、新たな一面を持った恵美になることを大切にしました。
◆撮影現場でのエピソードを教えてください。
シーズン1からのメンバーが多かったので、皆さんの距離感や空気感が出来上がっていました。だからこそ、すぐシーズン1の延長線のような気持ちで、とても安心した気持ちで、撮影が始まったことを覚えています。シーズン1の時の私は、村西軍団と関わる機会がほとんどなくて、1人だけポツンと残された感じだったんです。でもシーズン2は、最初から村西軍団の一員になっていたので、皆さんとお話しする機会もかなり増えました。
◆山田孝之さん、伊藤沙莉さんら、村西軍団との再共演はいかがでしたか?
山田さんは台本に、いくつかせりふを足してらっしゃるシーンがありました。それによって、よりシーンの説得力や熱量が加わったといいますか、それだけ相手役のことを考えてお芝居されていることを感じました。全体を俯瞰して見ていらっしゃるので、監督さんの目線も持っている方のような気がしました。伊藤さんは、ご本人が人を引き付ける魅力がある方なので、どんなに緊張感があるシーンでも現場が和むんです。そこにとても助けられましたし、すごい方だなぁと思いました。
◆恒松祐里さんが演じた乃木真梨子との関係性については、どのように演じようと思われましたか?
私は物語上、乃木という新たな存在が現れたことで、黒木が村西の元を去っていったとは思いませんでした。村西が衛星放送に心をとらわれ過ぎて、黒木の方を向いてくれなくなったと思っています。そのため恒松さんは黒木の存在を意識されて演じられていたそうですが、私はそこまで乃木の存在を意識して演じることはありませんでした。
◆完成した作品を見ての率直な感想は?
シーズン1とは雰囲気がだいぶ違うなと。シーズン1は、どの時代であろうと、モノづくりをする人の思いは変わらないし、そこに生きている人は何も変わらないと思ったんです。だから、あまり時代を感じませんでした。でもシーズン2はバブルが崩壊して日本全体が墜ちていく時の衝撃の大きさだったり、社会の流れを感じる要素があって、そこに違いを感じたのかもしれません。それにシーズン2は笑えるところは少なく、登場人物たちのヘビーな人間ドラマに感情移入するところも違うと思います。
◆森田さんがお好きなシーンはありますか?
村西軍団の皆さんが撮影しているシーンが大好きなんです。ちょっとコミカルに見えてしまうことをこんなにパワフルに全力でやっていることが、作品作りにも重なって、とてもすてきだなぁって思うんです。私が出演しているシーンだと、村西にお別れするシーンが好きです。本当に好きな人に対して、悲しいことを見せない優しさというか、ちょっとほほ笑んでいるんですよね。ひと言で感情といっても、1つじゃなくて、何層もあることに気づかされた大切なシーンでもあります。
◆『全裸監督』という作品を通じて、森田さんはどのようなことを学んだと思いますか?
自分じゃない誰かを演じる時、自分の要素を排除するように見えるんですけど、やっぱり自分が生きてきた経験や人間性が役に投影されていくものだと思うんです。それがすごく分かった現場でしたし、役作りをする時に自分がどう生きてきたということが、とても大事だと分かりました。だからこそ生きることについて、深く考えるようになりました。
PROFILE
森田望智
●もりた・みさと…1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。O型。主な出演作に『恋する母たち』『一億円のさようなら』、映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」など。連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)に出演中。映画「Bittersand」が2021年6月25日(金)より全国順次公開。
作品紹介
Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」
2021年6月24日(木)よりNetflixにて全世界独占配信!
(STAFF&CAST)
総監督:武正晴
監督:後藤孝太郎
原作:本橋信宏「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版・新潮文庫)
脚本:山田能龍、小寺和久
出演:山田孝之
満島真之介、玉山鉄二、森田望智、恒松祐里
柄本時生、伊藤沙莉、冨手麻妙、後藤剛範
渡辺大知、MEGUMI、西内まりや、笠松将、増田有華
吉田栄作、伊原剛志、宮沢りえ、石橋蓮司
室井滋、小雪、ピエール瀧、リリー・フランキー、國村隼
(STORY)
平成の始まりとともにアダルトビデオ業界の頂点に立った村西(山田)は、企画シリーズものを大量に制作していた。だがそれらは、黒木(森田)と作り上げた「SMっぽいの好き」のような伝説的な作品には遠く及ばない。黒木は再び村西との作品制作を切望するが果たされず、二人の間には少しずつ溝が生まれ始めていた。そんな時、村西は衛星放送事業への進出を勧められる。「空からエロを降らせる」という大きな夢に向けて、さらに金をかき集める村西。そんな村西に疑問を抱く川田(玉山)。しかし、苦楽を共にした川田の意見にも聞く耳を持たず、ついに決別した村西は新会社・ダイヤモンド映像を立ち上げ、乃木真梨子(恒松)ら新たな女優たちのプロモーションを始める。いっぽう、古谷(國村)の下でヤクザとなったかつての相棒・トシ(満島)は、村西に対して複雑な感情を抱いていた。
●photo/金井尭子 text/くれい響 hair&make/内田香織 styling/新崎みのり
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2021年7月8日(木)23:59