◆アフレコをするに当たり、事前に演技プランなどは立てていたのでしょうか?
一応、演技プランは立てていたのですが、素人考えが通用するような現場じゃなかったです(笑)。僕としては、長老ですから年季の入った声をイメージしていたんです。で、その声を実際にアフレコで出してみたら、「ちょっとのどを締めすぎですね」と言われまして。用意していた演技プランが早くも崩壊するという(笑)。
◆予定調和とはいかなかったんですね(笑)。
そうですね。あと、声を大きく出すとどうしても我が出て長老感がなくなってしまうんです。だから、 “ザキヤマ対長老感”でバチバチになって(笑)。その2つのバランスを取るのが難しくて苦労しました。でも、スタッフさんが優しく導いてくださったおかげで、アフレコはすごく楽しかったです。もう、あのスタッフさんが長老なんじゃないかなぁ(笑)。それくらい優しい方でした。やっぱり『アンパンマン』のスタッフさんは違うなぁと感心しました。
◆長老役を通して、どんな学びがありましたか?
子供に対してゆっくりしゃべることって大事なんだなと。アフレコ中、口調がついつい自分のペースになってしまって、「もうちょっとゆっくりお願いします」と言われたんです。「そうだよな、確かに子供にはゆっくりしゃべってあげたほうが伝わるよな」と思いました。
◆山崎さん自身、2人のお子さんを持つパパでいらっしゃいますが、普段『アンパンマン』を一緒にご覧になることはありますか?
よく一緒に見ています。子供より夢中になっている時があるくらいです(笑)。『アンパンマン』って、大人でものめり込んでしまうくらい面白いんですよね。
◆お気に入りのキャラクターは?
メジャーどころは全員好きなんですけど、強いて挙げるとすれば、森に住む妖精のバックちゃん。バックちゃんは思ったことと反対のことを言ってしまうキャラクターなんです。だから、うれしい時も悲しいと言ってしまう。それがかわいくもあり、何だか儚くって。でも、人間もなぜか反対のことを言ってしまう時ってありますよね。特に大人になると。『アンパンマン』はそういう真理もついてくる作品だと思います。