◆お決まりのあいさつである「ボンヌ・レクチュール」も、タッセルのキャラクターを表しています。この言葉にもご自身のアイデアが反映されているんでしょうか?
はい。最初に台本を頂いた時は決め言葉はなくて。冒頭で発するせりふを、スタッフさん含めみんなでいくつか案を出し合ったんです。僕もエスペラント語(世界共通言語)の「アーモ(愛)パーチョ(平和)」や、スペイン語とラテン語の「アモール(愛)パクス(平和)」などいくつか候補を挙げていって。でも作品のテーマである小説と絡められるようないい決めせりふはないかと考えて、その中でフランス語の「ボンヌ・レクチュール(=良い読書を)」が一番しっくりきたんですよね。フランス語を取り入れることで貴族のような雰囲気が出せるし、ちょっとうさん臭くなるのが良いなと。そしたら採用されまして(笑)。タッセルの役を作っていく上で、ちょっぴり大げさな芝居になったのは、このあいさつがあったからこそですね。
◆他にも役作りで意識したことはありますか?
タッセルは主人公の飛羽真たちがいる現実世界の人間ではないので、ある程度のファンタジーさがあったほうがいいなと思い、できるだけ振り切って演じるようにしました。あと、物語が暗く、重い展開になった時に、タッセルがいるだけでその場が明るくなったと感じてもらえるような存在になりたいと思っていたので、明るさは常に意識していましたね。これまで放送されたライダーの作品で似たようなキャラクターがいると、視聴者の方から比べられてしまったり、自分自身もどこか意識してしまったりする部分があったと思うのですが、タッセルは唯一無二のキャラクターだと思うので、その点においては毎回楽しく演じさせていただいています。