映画「ハニーレモンソーダ」や、WOWOW開局30周年記念連続ドラマW『ソロモンの偽証』など、注目作品への出演が続く坂東龍汰さん。現在放送中の比嘉愛未主演のドラマParavi『にぶんのいち夫婦』(テレビ東京ほか 毎週(水)深0・40)では、文(比嘉)の同僚で、次第に自分の本当の気持ちに気づき始める樋口亮役で出演している。今回、坂東さんに原作を読んだ感想や樋口を演じる上で気をつけたこと、学生時代に受けた“シュタイナー教育”などについて伺いました。
◆“不倫”をテーマに描いた本作。原作を読んだ感想を教えてください。
自分が予想していたものとは全く違う展開でストーリーが進んでいったので、ドキドキしながら読みました。台本を頂いた時も、既にストーリーは分かっているはずなのにドキドキしてしまって。この作品に出演できるんだと思うと、すごくワクワクしました。
◆物語は和真(竹財輝之助)の浮気疑惑からスタート。坂東さんがもしパートナーの浮気を疑う状況に陥ったら、どんな行動を取ると思いますか?
文のように「今日は楽しかったね(ハート)」というメールがパートナーの携帯に届いているのを見てしまったら、「そのメール何?」ってすぐに聞くと思いますね。単純に気になるので。気になることは自分の中に溜めておけないタイプなんですよ。
◆その場で浮気が明らかになる可能性もありますが、そこは白黒はっきりと?
そうですね。全部はっきりさせたいです。そこは樋口とは似ているところかもしれません。
◆その樋口を、坂東さんはどんなキャラクターだと捉えていますか?
夜はキャッチのアルバイトをしていることもあり、一見チャラそうに見えるかもしれません。でも、実は正義感が強くて、文のことを放っておけない優しい一面がある。ドラマ後半では、樋口が抱える悩みが明らかになるんですが、真っすぐな性格の文と触れ合うことで、樋口はだんだん自分の気持ちに向き合っていくんです。樋口のその姿はすごくカッコいいなと思いました。
◆演じる上で意識したことは?
共演者の皆さんのお芝居を受けて自然と樋口というキャラクターが出来ていったので、特別意識したことはありません。ただ、撮影が始まる前に、監督と樋口の人物像について話し合う機会がたくさんあったので、その中で樋口をただのイケメンにしたくはない、という意識は生まれました。
◆監督とは具体的にどんな話をされたんですか?
撮影が始まる前、僕が想像していた樋口像と監督が考えていた樋口像にずれがあったので、それをすり合わせる話をしました。僕は当初、樋口は何を考えているのか分からないミステリアスな人間なのかなと思っていたんですけど、そういうわけではないよねと。文に寄り添ったり、視聴者の方が思うようなことを代弁したりしているので、樋口は文さんの中に自然と溶け込める親近感のあるキャラクターだよねという話をしました。
◆樋口の注目ポイントは?
樋口は困っている文さんの前にナイスなタイミングで現れて、良いところを持っていく。「樋口来ないかな~」と思っていたら必ず出てくるので、樋口の登場シーンはぜひ楽しみにしていただきたいです。
◆現場では比嘉さんや竹財さんたちとどのように過ごしていましたか?
恋愛トークをすることが多かったと思います。「どんな人が魅力的に感じますか?」とか「何歳までに結婚したいですか?」とか。現場では僕が一番年下でしたし、僕の中でまだ“結婚”は遠い存在なので、皆さんが話しているのを楽しく聞いていました。
◆では、坂東さんご自身についてのお話を伺います。学生時代、“シュタイナー教育”を受けていたとのことですが、具体的にはどんな教育なのでしょうか。
ひと言で言うのは難しいんですが、“自由への教育”と言われています。“自由な教育”と思われることも多いのですが、例えば、テレビを見てはいけないとか漫画を読んではいけないとか、そういうさまざまな制限があるんです。だから僕は高校を卒業するまで携帯電話を持っていませんでした。
◆その“シュタイナー教育”が今のご自身に影響を与えていると感じることはありますか?
そうですね。制限がある中でも自分なりに自分のやりたいことを探して見つけていける、その力を伸ばすことができたと思います。だから、役者をやりたいと思って18歳で上京した時は何にも躊躇することなく自分を発信することができましたし、どんなことにもポジティブに挑戦できるようになったのは幼少期から受けてきたこの教育のおかげかなと。
◆ここ数年はドラマ、映画の出演が続いていますが、振り返ってみていかがですか?
自分の気持ちが追いつく前にいろんなことが決まっていったので、21歳くらいまでは毎日が怒涛の勢いで過ぎていきました。想像していなかったことが起きたり、初めてのことに挑戦したり、戸惑いも多くて。でもそれをワクワクしながら楽しんでいた自分もいました。今は、経験を重ねるごとに視野も広がってきて、1つひとつの現場を楽しむ余裕も生まれてきました。
◆最後に視聴者の方へメッセージを。
まさに“ざわハラ”な作品です。夫婦や友達の人間関係や、恋愛への向き合い方などがテーマとなっているので、皆さん共感できる部分があると思います。思いもしない急展開が待ち受けているので、ぜひ最後まで楽しんでご覧いただきたいです。
PROFILE
坂東龍汰
●ばんどう・りょうた…1997年5月24日生まれ。北海道出身。O型。最近の出演作に『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK総合)など。映画「ハニーレモンソーダ」(2021年7月9日公開)、「犬部!」(2021年7月22日公開)、ドラマ『ソロモンの偽証』(WOWOW 2021年秋放送予定)が待機中。
番組情報
ドラマParavi『にぶんのいち夫婦』
テレビ東京系
毎週(水)深0・40~1・10
※6月30日(水)は深0・10~1・40放送
動画配信サービス「Paravi」で独占先行配信中
(STAFF&CAST)
原作:『にぶんのいち夫婦』 原作:夏川ゆきの(エブリスタ)漫画:黒沢明世(マンガボックス連載中)
主演:比嘉愛未
共演:竹財輝之助、坂東龍汰、瀬戸さおり、小久保寿人、伊藤萌々香、安倍乙・秋元才加、黒川智花 ほか
(6月30日放送 第4話STORY)
和真(竹財)の浮気を確信し、どん底に突き落とされていた文(比嘉)。文は、香住(秋元)から「妊活より和真への浮気疑惑を先に解決すべきだ」と指摘される。翌日、文は樋口(坂東)に誘われスイーツショップに行くことに。すると偶然にも、SNSに映っていたさとみ(伊藤)と一緒にいる和真と遭遇する。
※役名の樋口亮の「樋」の字は正しくは1点しんにょうです。
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/nibunnoichi
©「にぶんのいち夫婦」製作委員会
●text/山村千晴