“ボッチ飯”をテーマに描いた、テレビ東京の新たな深夜グルメドラマ『ひねくれ女のボッチ飯』が、7月1日(水)スタート。本作の主演で、ひねくれ女のつぐみを演じた飯豊まりえさんに、ワンシーンに12時間かけたというハードな撮影や、陰キャラのフリーターでひねくれ女というキャラクターを演じた感想を振り返ってもらった。
◆出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
私自身食べることが大好きですし、これまでグルメドラマには挑戦したことがなかったので出演が決まった時はうれしかったです。しかもテレビ東京さんで新たに始まるグルメドラマということでしたし、あの『孤独のグルメ』チームの皆さんが制作に携わってくださるということで、すごく光栄だなと思いました。
◆台本を読んだ印象はいかがですか?
女の子のグルメドラマと聞いて、キラキラしたご飯が出てきて「おいしい~!」「ハッピー!」と、かわいく食べていくのかなという想像をしていたんですが、全然違いました(笑)。ちょっとひねくれた女の子が1人でご飯を食べている時の頭の中が描かれているんですけど、それがすごく面白いんです。ひねくれつつもハートフルでクスッと笑える作品だなと思いました。
◆飯豊さんが演じるつぐみは“陰キャラのフリーター”とのことですが。
面白いキャラクター設定ですよね。つぐみの言葉のチョイスにはセンスがあるし、頭の中が妄想だらけで面白いです。つぐみと私の共通点は、よくボッチ飯をすること。私の行きつけは定食屋さんで、いつもカウンターで食べることが多いんですけど、そんな時に、例えば隣にいるご夫婦は何のお仕事しているんだろうとか、この家族はお誕生日会をしているのかなとか想像しながらご飯を食べているので、そこはボッチ飯をしているつぐみを演じる中でリアルな感覚がありました。
◆ボッチ飯の醍醐味は何だと思いますか?
1人でご飯を食べていると自然と周りの人の声が聞こえてくるじゃないですか。それで「あ、今日は節分なんだ」とか「そっか、もうすぐクリスマスだよね」とか、世の中の流れを知ることができること(笑)。あとは1人だとご飯の味にしっかり集中できますよね。「お米甘いな~」とか。友達とおしゃべりしながら一緒にご飯を食べることも大好きですが、1人だからこそ見える景色もたくさんあって、それがボッチ飯ならではの醍醐味なのかなと思います。
◆ “ひねくれ女”を演じることについては?
普段は口が悪い役を演じることがあまりないので新境地でした。でも、つぐみは口に出して暴言を吐かないので誰かを傷付けることもないですし、心の中で躊躇なく妄想で膨らませているのでそれはそれで良いんじゃないかなと思います。
◆飯豊さんご自身は、“陰キャラ”と“陽キャラ”どちら寄りだと思いますか?
周りの人からは明るいイメージを持たれることが多いですし、私自身も根明な“陽キャラ”だと思っています。でもどうだろう。私、暗い性格の役を演じることが多いんですよ。頑張っても報われない役とか、好きな人が出来ても結ばれない役とか、心に闇を抱えている役とか(笑)。
◆つぐみを演じてみていかがでしたか?
今回のつぐみの「どうせ~なんでしょ」みたいなひねくれぶりは、私の中にはない感覚だったので、演じるのは楽しかったです(笑)。
◆いよいよ始まる第1話では「町中華のカツカレー」、第2話では「大衆食堂のしょうが焼き定食」が登場します。実際のお店での撮影はいかがでしたか?
カツカレーもしょうが焼き定食もすっごくおいしかったです! 女子1人だとなかなか入りづらいようなお店だったんですが、実際にお邪魔してみたら大将さんもスタッフさんも本当に優しくて。撮影を通して、今までは1人で入るのに勇気が必要だったお店にも挑戦したいなと思うようになりました。
◆特においしかったものは?
選べないです!(笑)どのお店のご飯も全部本当においしくて、毎回楽しく頂きました。お店の方に「また来ます」と声を掛けさせていただいたんですが、皆さんきっとうそだろうなと思っていらっしゃると思うので、プライベートで絶対に行こうと思っています(笑)。
◆撮影中、苦労したことは?
これが結構ハードで。お店に入ってから食事をして退店するまで、ワンシーンでの撮影なんです。ご飯をおいしそうに撮ったり、口元を撮っていただいたり、おいしそうに食べている表情を撮っていただいたり…。1回の撮影で、12時間かかるんですよ。グルメドラマならではのこだわりがたくさん詰まっていて、さすが、『孤独のグルメ』チームだなと思いました。苦労した分、視聴者の皆さんにおいしそうだなと思っていただけたら最高ですね。
◆12時間…。もし続編のオファーがあったらどうしますか?
毎回12時間の撮影はヒイヒイしてしまうかもしれないですが(笑)、でもやっぱり完成した作品を見るとどのご飯もすごくおいしそうなんです。だから撮影は大変ですが、シーズン2、3…と続く作品になってほしいなと思いました。
◆最後に見どころを。
ご飯はもちろんですが、“ひねくれ女”つぐみのモノローグも楽しんでいただきたいです。例えばつぐみは「どうせこのしょうが焼きも普通なんでしょ~」と思いながら食べたりするんですけど、「え、何これ。めっちゃおいしいじゃん」と驚いたり、「見た目は普通のサラダなのに、中にナッツが入っていた! あなどれないな」と感心したりするんです。男性が行くようなお店に女性1人で行って何してるんだろうって思う人もいると思うんですけど、頭の中ではこういう独り言が繰り広げられているんですよ、っていう。女性には共感していただける部分は多いと思いますし、男性には女の子の生態ってこんな感じなんだとクスっと笑いながら見ていただきたいです。
PROFILE
飯豊まりえ
●いいとよ・まりえ…1998年1月5日生まれ。千葉県出身。B型。最近の出演作にドラマ『君と世界が終わる日に』、『岸辺露伴は動かない』、『そのご縁、お届けします–メルカリであったほんとの話–』、映画「くれなずめ」など。
番組情報
『ひねくれ女のボッチ飯』
2021年7月1日(水)スタート
テレビ東京ほか 毎週(水)深1・00~1・30
※初回は深0・30~から1話、2話の一挙放送
Paraviにて全話独占先行配信中
主演:飯豊まりえ
出演:柄本時生 下野紘(声の出演) 辻凪子 川原和久 ダンディ坂野 片桐はいり ほか
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/hinekure
©テレビ東京
●text/山村千晴