井上:川島さんも僕もアニメが好きやから、声優さんってこんな感じやろうって情報だけは持っていて、頭でっかちになっていた部分があると思います。多分、その情報から頭で考えたことを現場でやろうとすると違うんでしょうね。
川島:うん。自分なりに考えて何かしようとしたけど駄目だったってことですよね。(良い声で)「クソォ!」とか作った声を出したらあかんっていうのは分かってるんです。声優の振りをした芸人になってしまうから。だからアフレコには自然体でいったほうがいいと分かってはいましたが、まず「声が小さい」って言われましたもんね?
井上:言われた!(笑)
川島:「井上さん、ちょっと聞こえないです」とか。
井上:そう、声を張ったつもりでいたのに、これで小さいんやと思いました。
◆大きい声を出しているつもりでも小さかったと。
川島:それは声のボリュームのことだけじゃなかったんですよね。脚本上では僕としゃべっている相手との距離は結構離れていたんです。でも最初、僕は目の前にいる人にええ声で言うみたいな感覚で話していました。そこで音響監督の方に5m先の人にそういう言い方はしないでしょ、「ちょっと待ってくださいよ」って呼びかけるように話すでしょ、ということを教えていただいて、短時間でしたがすごく勉強になりました。
井上:漫才の時のセンターマイクの使い方とは明らかに違いましたね!
川島:全然違いましたね! 最初は結構ふざけて、井上君が「こんな声ですかねー」なんて変な声を出したりしたんですけど、本番が始まったらふざける余裕なんか全くなかったです。
井上:ど真ん中の声を出すしかなかったです(笑)。でも終えてみると楽しかったです。気持ちとしてはもっとリテイクしたかった。監督さん、音響監督さんが「OK」と言われたらそこで終了なんですが、もっと録り直したかったし、もっといろいろやりたかったですね。
川島:うん。終わってみたら楽しかった。でもこれ以上やったらこなれて駄目なんだろうなとも思いました。腹八分目のところで、バンッと終わってくれたのが良かったかもしれないですね。