◆もともとお好きということですが、『七つの大罪』という作品の魅力はどんなところだと思いますか?
井上:まずタイトルにパンチがありますよね。大体のアニメ作品って主人公が善で敵は悪であることが多いけど、この作品は主人公たちが<七つの大罪>だから、主人公たちが善なのか悪なのか分からないままスタートして、読み進めていくと良い部分もあれば悪い部分もあることが分かってきます。Aさんから見たら<七つの大罪>チームは良いやつだけど、Bさんから見たら悪いやつ。リアルな人間関係でもそういうことってあるから、自分たちの世界ともつながるなと。後は仲間の大切さを描く漫画って多いけど、『七つの大罪』は仲間が邪魔をしたり、余計なことをすることもある。そこも他の漫画とは違う面白さなのかなって思います。
川島:井上君と全く同意見ですが、僕は悪役がいないのがすごいなと思います。主人公に当たるポジションにメリオダスがいますが、周りのキャラクターが彼を支えるという描かれ方ではないんですよね。最初はそうかもしれないけど、アニメのシーズンによってはバンというキャラクターが主役を張ったり、それこそマスコットやと思っていたキャラクターが重要なカギを握っていたりする。「最近、あの人、影薄いな」って思うようなキャラクターがいないんです。井上君がパンチのあるタイトルと言いましたが、全部終わった上でのタイトルの意味を考えると、もしかして主役はいなかったのかなって思わせられる。そこも漫画として新しいなと思います。
井上:その上で、今回の映画の話をすると、完全オリジナルストーリーであることがまず楽しみですよね。作者の鈴木先生しか分からないことですが、今回の映画のストーリーをもともと念頭に置いていたのか、今回の映画のために描いたのか。あえて映画版にとっておいた可能性もあるから、そう思うとあっためていた分、より面白いストーリーになっていると思うので、一ファンとして楽しみです。