時は2010年春。美波と亮と共に永浦家を訪れ、銀行員である耕治(内野聖陽)に相談しながら、亮と乗るんだと新しい船を作ってもらうことを決意した父・新次(浅野忠信)を微笑ましく見守る一同。
1年後、無事に船は完成し、気仙沼・亀島の港で華々しい進水式が行われた。真新しい船を前に、はじける笑顔で誇らしげに写真を撮影する及川家の3人。しかし、その写真は泥に汚れ、色あせて…。
今までも新次が古い携帯電話を使う様子が描かれてきたが、なぜガラケーなのだろうと思っていた人も少なくないだろう。その理由も、留守電に入る美波の声と「3月11日、午後3時10分…」という機械音で明らかに。あまりにつらく、胸が締め付けられるその展開に、SNSでも「号泣した」「切なすぎる」など、多くの人が涙していたことが伺える。
撮影を終え、「浅野さんと永瀬さんの佇まいから、私たち家族の香りが漂ってきました」と語る坂井さんに、美波役を演じての感想や及川家の共演シーンについてお話をお聞きしました。
◆『おかえりモネ』への出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
とてもうれしい気持ちと同時に、動きだしている物語に大切なバトンをお渡しするという役目への緊張に襲われたことを覚えています。制作統括の吉永(証)さんはじめ、スタッフのみなさんの作品への熱い思いが私の大きな力となりました。
そして、ヒロインの清原果耶ちゃんとは2作品ご一緒しており、私より相当年下ですが、女優さんとして本当に尊敬しています。果耶ちゃんの朝ドラを絶対にいいものにしたいと強く思いました。
◆美波を演じてみての感想、役の印象を教えてください。
浅野さんと内野さんのマドンナ的な存在という恐れ多い設定に、こんなことは一生に一度かもしれないと、おおいに楽しませていただきました。
演出の桑野(智宏)さんからも「マドンナ感」と「太陽のような人」というキーワードをいただき、美波が出てくるシーンが太陽の光がふり注ぐように明るく元気なものになればいいな、と思いながら演じています。
◆浅野さんや永瀬さんとの共演シーンについてはいかがでしたか?
浅野さんと永瀬さんの佇まいからは、私たち家族の香りが漂ってきました。そして、私たちが歩んできたであろう道がすーっと見えてきて、私の居た場所が見えたんです。
お2人にあたたかく迎えていただき感謝しています。陽気なみなさんに囲まれて、あんなに気持ちよくカラオケを歌わせていただいたこともとても貴重な経験でした(笑)。撮影期間は短かったのですが、家族として濃厚な時間を過ごしたような気がしています。
番組情報
連続テレビ小説『おかえりモネ』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか
©NHK