中村:それに、例えば家を建てる時って柱が4本必要だと思うんですが、この原作を映画化するにあたって「その後」が描かれたことで、作品としての柱がより太くなり、より強固になった印象がありましたね。
神木:とはいえ、当たり前に感じていたものを失った時に、人はそれとどう向き合い、どう前に進んでいくのかということが結構強く描かれていて。やはり心にズキンとくるものがありましたし、胸が痛くなりました。
中村:そうだね。原作もズキンときたけど、それがより身近になったというか。
木村:僕がすてきだなと思ったのは、ワニ君は出てこないのに、どこかしらにワニ君の存在を感じながら物語が進んでいくところで。切なさや悲しさだけじゃなく、温かい部分もあって、後半の展開も本当に素晴らしいなと感じました。
神木:そうそう! 最後はちょっとほっこりするし、そこがすてきですよね。
木村:あとはカエル君の存在感も大きいしね。
◆原作にはないオリジナルのキャラクターであるカエル君を山田裕貴さんが演じていらっしゃいましたね。
神木:僕は収録日が別だったので、裕貴君がどんな感じでカエルを演じたのか試写を見るまで分からなかったんです。
中村:アフレコの時は、なぜかものすごく緊張していたよ?(笑) こっちがビックリするくらい。
木村:そう言えば、収録前に監督から「後半にはカエルが異物として登場します!」って聞いていたけど、まさしく異物だったよね(笑)。でも、そんな彼にも新しい街に来た理由がちゃんとあって。その内容を聞いた時は本当に感動しました。何と言っても、ネズミ君とカエル君の会話が泣かせるんです! 最高でした!
中村:ありがとうございます!