◆2年ぶりにこの作品を送り出す意義をどう感じていらっしゃいますか?
この2年で世の中はびっくりするぐらい変わりました。常識すら覆され、これまで積み上げてきたものがこんなにも簡単に崩れてしまうのかと、多くの方が感じていることと思います。ただその一方で、人間はどんな状況にも対応し、自分たちにできることを探していけるんだという強さも感じました。そして、絶対に変わってはいけないもの、変えてはいけないものも浮き彫りになった2年だったように感じます。例えば、人が人を思う気持ちもその1つ。それを何よりも大事にしているのが、キントリのメンバーなんです。この作品の醍醐味は、被疑者と直接会って会話をし、言葉の端々から感じられるその人の感情を受け取って、真実をひもといていくことなんです。それは決して機械ではできないことで。こんなご時世だからこそ、人と向き合う大切さを変わらず視聴者に届けられるこのドラマを放送できるのは、本当に意味のあることだなと感じています。
◆シーズンを重ねるに連れて、真壁の成長も感じます。
最初のころの真壁はキントリに対してすごく反発していましたからね。もともとSITの所属で、そこでの失敗が原因で転属されられたものだから、 “どうして自分がこんな部署に追いやられないといけないのか”と。でもそこから、“人と向き合うというのはこんなにも深いものなのか”と理解し、同時に、調べに調べ抜いた証拠や事実を武器に被疑者たちと言葉でやり合うことがこれほどまでに難しく、すごいことなんだと気づき、自分の仕事に誇りを持つようになった。たまに暴走してしまいますけど、そこは周りのおじさまたち(キントリのメンバー)がサポートしてくださいますから。今や関係性がしっかり築かれていて、シーズン4ではむしろ、おじさんたちが助けてくれると分かった上で真壁は暴走しているような気がして(笑)。そこがいいなぁと思っています。