瀬戸康史「不安なことやつらいことも多いけれど、その分小さな幸せに気づける」『男コピーライター、育休をとる。』

特集・インタビュー
2021年07月09日

◆共演者の方とのチームワークはいかがでしたか?

(魚返の妻・愛子を演じる)瀧内(公美)さんは壁を全然作らない方で、こちらが引く前に入ってきてくれるので、すぐに打ち解けられました。人間力がすごいんですよ。今回初めて共演したんですが、ずっと前から知っていたような感じで、本読みの時からテンポ感ができていましたね。ちょこちょこアドリブシーンもあったのですが、彼女のおかげで自然体にできました。(魚返の上司・浜崎を演じる)村上淳さんとも初共演でしたが、撮影前に会社の同僚役のみんなに「俺はこうするから〜」と話しかけに行って、演出をしてました。一回だけ、村上さんが間違えたのに僕のせいにされたことはありましたが…(笑)。

◆本作を演じる前と後で、育休・育児に対するイメージは変わりましたか?

演じる前は、育休に対しては幸せなイメージしかなかったんです。育休を取得している人は偉いし、夫婦仲も良くなるし、赤ちゃんと一緒にいる時間も増えてうれしいだろうなと。ですが、今回演じてみて、とにかく育児はつらい! と気づきました(笑)。大変なことはいっぱいあるんですけど、中でも「思いどおりにならない」っていうのが一番つらいことだと思いました。例えば赤ちゃんが泣いていても、「ミルクをあげれば必ず泣き止む」みたいなマニュアルはないじゃないですか。これは一人では相当大変だなと思いましたね。家族でも友達でも、誰か頼れる人に支えてもらわないと、身がもたないな…と。今回は監督含め、子育て真っ最中の方や経験者の方など、先生がいっぱいいたので、撮影中も分からないことはすぐに聞けて、やりやすかったんですけどね。疑似体験でこんなにつらいんだから、実際は相当(大変)だろうな、と感じました。でも、その知っていると知らないとでは大きな違いがあると思うので、今回、演じてよかったなと思います。

◆逆に、育児の楽しさは?

いや、本当に「つらい」が大部分を占めるんですよ(笑)。だからこそ「赤ちゃんが自分の抱っこで寝てくれた」とか「笑ってくれた」とか、そういう小さな幸せを、いつもより感じられるようになるのはいいところかなと思いました。

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