◆そうやって自分の全てをさらけ出してお芝居をすることに難しさや大変さは感じますか?
いえ、すごく楽しいです。それは、ちょっとおこがましいですけど、僕が音楽でやってきたことと近いからかもしれません。例えば、ライブで目の前いるお客さんと一緒に手を動かしたり、「みんなで歌おうぜ!」ってあおるのがダサいなというのが僕の中にあって。でも、やってる方って結構多いじゃないですか。で、盛り上がるじゃないですか。「一体感だ!」とか言って。けど、それって見せかけで、虚構なんじゃないかっていう思いが僕にはあって。そういうスタンスで音楽をやってきたから、三浦さんとも合うのかなって思います。
◆音楽の話題が出ましたが、峯田さんはミュージシャンとしてステージに立つことには慣れていらっしゃると思います。でも、役を背負って立つことにはどのような違いを感じますか?
他の皆さんがどうかは分かりませんが、僕は音楽でステージに立っている時も銀杏BOYZを演じている気がしますね。“ステージでは全てをさらけ出す”と言いつつ、やっぱり銀杏BOYZの峯田和伸を観に来ているお客さんがいて、それに合わせてどこかで銀杏BOYZの峯田として歌っているところがある。演劇の舞台もそれと変わらないんです。違いがあるとすれば、ライブのステージは自分がプロデュースをし、自分が作った曲を歌っている。その一方で、今回の舞台で演じる今井伸二役は三浦さんに委ねている。銀杏BOYZは委ねられないけれど、こっちは預けられる。その差があるくらいで、どちらもすごく楽しいです。
◆その三浦さんが今作で峯田さんに当てた役は売れないミュージシャンという設定です。現時点ではどのような役にしていこうとお考えですか?
稽古がまだ始まっていませんし(※取材時)、三浦さんともまだ具体的な話し合いをしていないので、これから詰めていこうと考えています。ただ、弁護士役とかではなく、ミュージシャン役なので、自分の中に経験のストックがある。そこからイメージは引っ張り出せるかなと思っていますね。それに、今井と少し境遇が似ている仲間が1人いるんです。最近あまり連絡を取っていなかったのですが、久々に会って話をしてみたいですね。そこから何かしらのヒントが生まれるかもしれませんので。