『ゼンカイジャー』で注目の若手俳優・増子敦貴、目指すは「“この作品には増子が必要だ”と言ってもらえる個性的な役者」

特集・インタビュー
2021年07月17日

スーパー戦隊シリーズの45作目『機界戦隊ゼンカイジャー』(テレビ朝日系 (日)前930)で、ゼンカイジャーと共に戦う“界賊(世界海賊)”のツーカイザーに変身するゾックス・ゴールドツイカーを好演している増子敦貴さん。722日(木・祝)には、仮面ライダー50周年とスーパー戦隊45作目のWアニバーサリーで実現した映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」が公開。それを記念し、718日(日)には『仮面ライダーセイバー』と『機界戦隊ゼンカイジャー』の合体スペシャル(前900)も放送される。そこで、増子さんに両作の撮影を振り返ってもらうとともに、芝居への思いもお聞きしました。

◆映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」は、これまでの仮面ライダーとスーパー戦隊が大集結するという豪華さで大きな話題となっています。

仮面ライダー50周年とスーパー戦隊45作品という記念の年に上映される特別な映画なので、その作品に出演できると最初に聞いた時はホントに驚きました。自分が歴代の仮面ライダーや戦隊レッドの前に立つなんて、一生に一度しかできない体験。まさに鳥肌もので、全てが新鮮でした。それが映像作品としてこの先もずっと残っていくということがすごくうれしいです。

◆撮影で特に印象に残っていることは何ですか?

ライダーチームが朝から晩までずっと、とあるシーンでテイクを重ねていて、そのすぐ後に僕のシーンの撮影だったことがあって。しかも、ひと言目のせりふが「ヨホホイ」だったんです。もう言いにくい、言いにくい!(笑) でも、『ゼンカイジャー』を背負って、そしてゾックスとして、自信を持ってやらなきゃと思って、全力で「ヨホホイ、ヨホホイ♪」って演じたんです。そしたら…まぁ何となくですけど、その場にいたスタッフさんたちに活気が戻ったような気がしました(笑)。

◆映画にはWアニバーサリーならではの展開も盛りだくさんだそうで。期待が膨らみます!

ファンの皆さんの見たいものがたくさん詰まっていると思います。今までの歴史を受け継いで、『仮面ライダーセイバー』と『機界戦隊ゼンカイジャー』のヒーローたちがどんな戦い方をするのかも見どころです。あと、個人的にはゲスト出演の鈴木福さんにも注目していただきたいです。物語のカギを握る謎の少年役で、最後に全てが分かった瞬間、“そうだったんだ!と驚くはずです。その伏線を知ると、もう1回見たくなると思います。

◆映画の公開を記念した、『仮面ライダーセイバー』と『機界戦隊ゼンカイジャー』の合体スペシャルでは、それぞれの作品でコラボ回がオンエアされます。

『セイバー』には、ゾックスが登場しています。オリヒメワルドを倒そうとする過程で秀君(内藤秀一郎)演じる飛羽真/仮面ライダーセイバーとの間に芽生える友情も見どころです。秀君は優しいので、困ったことがあっても言いやすくて。伸び伸びと演じることができました。

◆『セイバー』チームに入っての撮影は、刺激も多かったのでは?

緊張しましたけど、勉強になることばかりで。特に、諸田(敏)監督とご一緒できたことは貴重な経験でした。なかなか褒められることはありませんでしたけど、“今の芝居、納得してくれたのかな”と思えるような「オッケー!」を頂けた時はうれしかったです。諸田監督は“多分、あまり納得がいってないんだろうな”という時は「チェ……ック!」って溜めて言うんです(笑)。

◆諸田監督とご一緒して、どんな学びがありました?

諸田監督は、ゾックスのバックボーンを踏まえて、そこで芽生えた感情をもっと大事にするようにとか、いろいろ教えてくだって。演じる上でのアイデアをもっと豊富にしたいと思えるようになったのは、自分の中で大きな変化でした。

◆そもそも増子さんにとって初めての芝居の仕事は、2016年の舞台「人魚外伝〜Anecdote of Mermaid〜』ですよね。

そうです。みんなで朝から晩まで稽古をして、その後、食事に行って反省会をして。やっとみんながまとまってきて絆が生まれたというころに、千穐楽を迎える。舞台のそのちょっと切ない感じは、僕を人間として強くしてくれたように思います。それがきっかけで、もっと違う作品をやってみたい、いろんな人と出会いたい、と思えるようになったんです。もちろん、『人魚外伝~』のみんなとまた一緒の舞台に立てるように頑張ろう! という気持ちもありました。

◆その後は、歴史のある舞台「熱海殺人事件CROSS OVER 45」(2018年)や、若手俳優の登竜門的ミュージカル「テニスの王子様」シリーズ(2018年~2020年)などにも出演されていましたね。

自分でも恵まれているなと思います。18歳という若さで「熱海~」に参加させていただけたことは、ホントに幸せでした。共演の味方(良介)さんやNON STYLEの石田(明)さんには、すごく人生勉強をさせてもらって。それまでの自分の固定概念とかを全部砕かれたというか。当時は2人がよく食事に連れていってくれて、いろんなことをアツく語ってくれたんです。たとえどんなに演技が下手だったとしても、一番大事なのは一生懸命やっているかどうか。それによって観客の反応も変わってくる”という話は、今でも心に残っています。あの日々が今の自分の支えになっているし、心から出演できてよかったと思える作品ですね。

◆「テニミュ」シリーズでは、中学生テニスプレーヤー役を足掛け約2年にわたって演じられていましたが、それはどんな経験になりましたか?

あの作品は一生に一回しか経験できない、一番楽しくて一番感動できる部活だと思っているんです。稽古の段階からみんなで反省会を開いて、役を作っていって。意見がぶつかることもありましたけど、だからこそ、そこで生まれた絆というのはものすごく強くて。今でもチームメート全員、仲が良いんです。グループLINEもずっと続いていますし。本当にいい経験をさせていただきました。

◆そうやってキャリアを重ねてきて、今、演技の仕事に対してどのような思いで臨んでいるのでしょうか。

『ゼンカイジャー』に関して言えば、今まで出演してきた作品とは別物だと考えています。映像作品はあまり経験がないですし、自分が培ってきたものを出すとかではなく、フラットに。変なプライドは持たず、ゼロからの気持ちで臨んでいます。そうすることで、いろんなゾックスを自分でも見つけていきたい。“こういうやり方もあるんだ”“こういうアイデアだと受け入れてもらえるんだ”とか発見もあって、今は毎日が新鮮で楽しいです!

◆今後、挑戦してみたい作品や役柄はありますか?

これまでの僕の出演作は、コメディ要素が入ったものが多いんです。それを生かして、福田(雄一)監督の作品に出てみたいです。あと、学校の制服は今しか着られないので高校生役とか、警察官役とかにも興味があります。もちろんいつか主演もやりたい。でも、まずは “この作品には増子が必要だ”と言ってもらえる個性的な役者になりたいです。それと同時に、僕はGENICというダンス&ボーカルグループでも活動しているので、いつかドームツアーもやりたいと思っていて。東京ドームにはお客さんが5万人入るそうですけど、ドームの外に出たらさらに5万人が集まっているくらいのグループにしたいです。日本からブラジルを目指すくらい遠い夢ですけど、頑張りたいです。僕、欲張りなので(笑)。

PROFILE

増子敦貴
●ましこ・あつき…200015日生まれ。福島県出身。B型。男女7人組ダンス&ボーカルグループGENICのメンバー。エイベックス主催の「Boys Award Audition 2016」でファイナリストに選出されたのをきっかけに芸能界デビュー。これまでは舞台やミュージカルを中心に多くの作品に出演。『機界戦隊ゼンカイジャー』でゾックス・ゴールドツイカー/ツーカイザー役に抜擢され、注目を集めている。

作品情報

『機界戦隊ゼンカイジャー』
テレビ朝日系 毎週(日)前9301000
※2021年718日は『仮面ライダーセイバー』との映画公開記念合体スペシャル(前900)を放送

映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」
2021年722日(木・祝)より全国公開

photo/小澤正朗 text/林桃

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