◆いよいよ開演。お客さんがいる会場を見た時はいかがでしたか。
“いる!”って(笑)。でも、“いる”ことが当たり前ではないので、まずそこに感動しました。すごく久々の光景だったし、ステージに出た瞬間、お客さんは声を出せないけど、“うわぁ!”ってなるのがこっちに伝わってきて(笑)。久しぶりだからこそできる少しの距離感みたいなものを、コンサート中にゆっくり縮めていけたらいいなと思いましたね。
◆今回のコンサートでこだわった点があったら教えてください。
新しい届け方というか、今回はお客さんが声を出せない状況の中でのコンサートなので、クラップ曲にしてみたりとか。例えばコンサートの届け方だったり、それこそ仕事のスタイルなんかも変わりましたけど、でもそれを仕方ないからそうなったとは絶対したくなくて。そういう捉え方は性に合わないというか(笑)、私はそういうふうに思ったことはなかったので。もちろんお客さんの目の前で届けられることの楽しさはあるけど、でも例えば配信だったら、どこに住んでいても観られる良さがあって。だから、そこは歌い方と言うかパフォーマンスもそうだし、みんながこれはこれで新しいコンサートの届け方ですごく楽しかったと思ってもらえるにはどうしたらいいか、バンドメンバーと考えましたね。できなくなったことを数えてもキリがないから、「じゃあ、逆にこういうことができるね」っていう感じで。
◆無事初日公演を終えましたが、それを踏まえて、豊崎さんにとって“コンサート”とは、どんな存在ですか?
私にとって、というか、私と私のコンサートに来てくれるお客さんにとっての居場所、“帰る場所”かな。今回久しぶりのコンサートだったこともあってか、なんかすごく“ホーム感”があって。みんなと私で集まる“実家”みたいな場所が、私のコンサート会場だったり、私が歌っている音楽の世界とかになってくれたらいいなって。だから、いつでも帰れる場所を用意しておくのが、これからの私の役目だなと思いました。今日をきっかけに、「また必ず会いましょう!」ってみんなに伝えたので、その日を作るために、これからも頑張ります!