◆犬との共演はいかがでしたか?
本当に犬たちは人間のことをよく見ているんですよね。なので、少しでも一緒にいる時間を増やして「この人は一緒にいても大丈夫な人なんだ」って、顔を覚えてもらうことから始めました。一緒にお散歩に行かせていただいたり、お世話を手伝わせていただいたり、少しでも関係性を深められたらいいなって。撮影中はただでさえ、カメラや人がいっぱいいる環境なので、安心できる人として認知してもらえるようにしました。人間と違って犬たちは意図したことが簡単にできるわけではないので、その分本番でできた時は感動しましたし、思いもよらない瞬間が撮れた時はうれしかったです。
◆篠原哲雄監督とのやりとりで印象深かったことは?
僕ら俳優部の意見をすごく尊重してくださる方で、時間がかかっても現場でいろいろな可能性を探ってくださいました。台本には描かれていない空白の時間があるのですが、その数年の間にどういう気持ちの移り変わりや関係性の変化があったのか。そこは(花井颯太役の林)遣都さんとも話し合って、想像しながら共有していきました。
◆林遣都さんから刺激を受けたことは?
完成した作品を見て、現場では気づけなかったぐらい、細かいお芝居をされていたんだなって。やっぱりすごいなと思いました。それも感覚的なものだけではなくて、お芝居の組み立て方がすごい。僕が見ていないシーンもあるので、映画の全体像を見た時に「あ、すごいな」って。そのひと言です。
◆完成作をご覧になっていかがでしたか。
爽やかな青春群像劇の面もあるし、どこかドキュメンタリーを見ているかのような描写もある。エンターテインメントとしてのバランスがすごく取れている作品だなと思いました。なかなか触れる機会がないテーマなので、この映画がそういった現実についても考えてもらえるきっかけになったらいいなと思います。