7月22日(木・祝)公開の映画「犬部!」は、1つでも多くの動物たちの命を救うために奮闘する人々の姿を描いた作品。獣医科大学生が立ち上げたサークル「犬部」の実話を基に、動物保護というテーマに向き合った本作で重要な役どころを演じる中川大志さんは、自身もフレンチブルドッグを飼っている愛犬家だ。作品について、たっぷりと語っていただきました。
◆オファーが来た時の感想は?
動物と一緒にお芝居できるということが、すごく楽しみでした。そして自分も小さいころから犬を飼っているんですけども、やっぱり知らなかったこともたくさんあって。獣医師の世界、動物愛護の歴史、この作品を通して初めて知る人たちの存在。そういうものを作品の中で少しでも伝えられたらいいなというのが、最初に感じた思いです。
◆撮影に入る前に準備したこと、勉強したことはありますか?
僕が演じた柴崎涼介は学生時代のパートと動物保護センターに務めてからのパート、大きく分けると2つあって。獣医学生時代は実習のシーンがあるので、手術の映像を見たり、獣医学部の先生にメスの使い方など、いろいろな所作を教わりました。保護センターに行ってからの部分では、そこはどういう機関で、どういう歴史があるのか、とういうことも含めて資料や映像で勉強しました。撮影は実際の施設でやらせていただいたのですが、訪れてみるとあまり感じたことのないような空気を肌で感じました。
◆動物好きの中川さんにとって、感じることも多かったのだろうなと思います。
そうですね。この作品をやると決めた段階で、間違いなくキツいだろうなと覚悟はしていたんですけども。実際に役作りを進めていく中で深い部分まで触れていくと、犬を飼っている身としてはツラい時間ではありました。ただ、僕のできる伝え方はそれしかないので。身をもって体験させてもらったというか、貴重な役作りの時間ではありました。
◆犬との共演はいかがでしたか?
本当に犬たちは人間のことをよく見ているんですよね。なので、少しでも一緒にいる時間を増やして「この人は一緒にいても大丈夫な人なんだ」って、顔を覚えてもらうことから始めました。一緒にお散歩に行かせていただいたり、お世話を手伝わせていただいたり、少しでも関係性を深められたらいいなって。撮影中はただでさえ、カメラや人がいっぱいいる環境なので、安心できる人として認知してもらえるようにしました。人間と違って犬たちは意図したことが簡単にできるわけではないので、その分本番でできた時は感動しましたし、思いもよらない瞬間が撮れた時はうれしかったです。
◆篠原哲雄監督とのやりとりで印象深かったことは?
僕ら俳優部の意見をすごく尊重してくださる方で、時間がかかっても現場でいろいろな可能性を探ってくださいました。台本には描かれていない空白の時間があるのですが、その数年の間にどういう気持ちの移り変わりや関係性の変化があったのか。そこは(花井颯太役の林)遣都さんとも話し合って、想像しながら共有していきました。
◆林遣都さんから刺激を受けたことは?
完成した作品を見て、現場では気づけなかったぐらい、細かいお芝居をされていたんだなって。やっぱりすごいなと思いました。それも感覚的なものだけではなくて、お芝居の組み立て方がすごい。僕が見ていないシーンもあるので、映画の全体像を見た時に「あ、すごいな」って。そのひと言です。
◆完成作をご覧になっていかがでしたか。
爽やかな青春群像劇の面もあるし、どこかドキュメンタリーを見ているかのような描写もある。エンターテインメントとしてのバランスがすごく取れている作品だなと思いました。なかなか触れる機会がないテーマなので、この映画がそういった現実についても考えてもらえるきっかけになったらいいなと思います。
◆青森ロケのエピソードを教えてください!
撮影の合間ものんびりとした時間が流れていましたね。外に椅子を出して、みんなで台本を読んだり。盛り上がる会話も「そこに生えている野菜の種類はなんだろう?」って。そういうのって、東京にいたらあまりできないじゃないですか。「あそこにいっぱい生えている植物がなんなのか、スマホを使わずに調べようぜ」みたいな(笑)。そんな平和な待ち時間でした。
◆植物の種類は当てられましたか?
いや、結局分からなくて、スマホで調べました(笑)。
◆映画「犬部!」での経験を経て、ご自身にどのような変化がありましたか?
撮影を完走して、久々に家に帰って愛犬のエマと再会した時、あらためてこの時間を大切にしようと思いました。人間と犬たちの流れているスピードは全く違うので、このかけがえなのない時間を大切にしなきゃって。そういった意味でも、たくさんのことを学ばせていただいた作品ですね。
◆中川さんにとっての“○○の相棒”を教えてください!
ご飯の相棒は、“なめたけ”です。たまたま買い物に行った時に試食をやっていて、おいしいものに出会いました。瓶に入っていて、ちょっとピリ辛なんです。なめたけって昔は実家の冷蔵庫にあったんですけど、最近食べてないなーって。熱々のご飯にのせて食べると至福です。って話していたら、おなかがすいてきました(笑)。
◆地方ロケの相棒はありますか?
基本荷物は多くて、地方ロケの時はシャンプーやボディーソープ、パジャマなど一式持って行きます。あとは台本、パソコン、カメラ…。いろいろ持って行くと、重くなっちゃうんですよね。
◆最近のお気に入りエンタメは何ですか?
ドラマはよく見ています。「オレも東大行きたいな~」みたいな(笑)。「現場楽しそうだな~」とか思いながら見ています(笑)。
◆多忙な毎日の中の“癒やしの時間”を教えてください。
家に帰ってお風呂に入ってから、キンキンに冷えたビールを飲む瞬間。「一日お疲れさま、自分」っていう気持ちになるんです。仕事が立て込んでいたりしてめまぐるしい日は、ビールを飲んでソファーでぐだっとしている時に「あ、仕事終ったんだ」「あ、家に帰ってきてる!」って。そこで実感する時があるんですよね。
PROFILE
中川大志
●なかがわ・たいし…1998年6月14日生まれ。東京都出身。現在、ドラマ『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系)に出演中。2021年7月30日(金)より映画「都会のトム&ソーヤ」が公開。2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合ほか)に出演。
作品紹介
映画「犬部!」
2021年7月22日(木・祝)全国ロードショー
(STAFF&CAST)
原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)
監督:篠原哲雄
脚本:山田あかね
出演:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大、田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはるみ、坂東龍汰、田中麗奈、酒向芳、螢雪次朗、岩松了
(STORY)
青森県十和田市。獣医学部の大学生である花井颯太(林)は、一人暮らしのアパートでたくさんの保護動物と暮らしている。周りから変人扱いされても、目の前の命を救いたい一心で保護活動を続けていたが、心を閉ざした実験犬を救ったことから動物保護活動をサークルにすることを思いつき、同じく犬好きの同級生・柴崎涼介(中川)らと「犬部」を設立する。やがて颯太は動物病院の医師に、柴崎は動物保護センターで働き始める。ある日、獣医師となってもいちずに保護活動を続けていた颯太が逮捕されたという報道を受けて、犬部のメンバーが再集結する。しかし、そこに柴崎の姿はなかった…。
©2021『犬部!』製作委員会
●photo/中村 功 text/山口昭子
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