渡辺大知「“相手のことを考えるとはどういうことか”がテーマな気がした」『初情事まであと1時間』

特集・インタビュー
2021年07月22日

渡辺大知インタビュー

◆原作の絵柄などを見てすごくコミカルな感じを受けたのですが、実際に演じて原作とのギャップはどう感じましたか?

原作のコミックを読ませてもらったんですけど、あえてあんまり深く読み込みませんでした。原作のトーンやタッチ、雰囲気のまねをしようとするんじゃなくて、原作で描かれているもう少し内面の人間臭い部分とか、伝えようとしてる大事な部分を今回のドラマでも引き継げたらなと思ったんです。それは大九さんも同じなんじゃないですかね。原作を具現化しようとするのではなくて、大事な部分をちゃんと生身の人間がやるドラマにどう置き換えられるかというのがすごく考えられていたような気がして、映像的にカッコいいとか、きれいに見えるものになっていると思います。

◆“原作の伝えたい大事な部分”をあえて言葉にすると、どんな言葉になりますか?

人と人が出会って、情事に至るまでの短い時間の中で、自分のことを自分はどれだけ分かっているのか、相手のことを自分はどれだけ見れているのかみたいな葛藤は誰の中にもあると思うんです。ひと言で表すと、「相手のことを考えるとはどういうことか」がテーマな気がしたんです。情事に至るってことは、そこに至る相手のことを考えて、その間に自分自身のことにも気づかされる。他者と自分との共存関係みたいなのをすごく考えさせられる内容で、そういうところを引き継ぎたいなと思いました。

◆ご自分が考えられていた陽太から、現場に入って変えたところはありますか?

結構変えましたね。趣里さんが演じる月子はどんな感じなんだろうなというのもあったので、現場の空気感でやっていこうと思っていました。趣里さんとやっていく中で、もう少しコミカルに言おうと思っていたせりふが、うそっぽくなってしまったことがあって。その時はせりふはコミカルなんだけど、本当に思っていることが思わず出ちゃった感じにしたいと現場で掛け合いをしている中で思って変えていきました。でも、「プラスドライバー」と叫ぶシーンは、ノリノリでやりました。

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