◆また、妻・由布子を演じたのは吉瀬美智子さんでした。久々の共演だったと思いますが、いかがでしたか?
これまでにも共演経験があるとは言え、ほとんどセリフの掛け合いもなかったので、しっかりとご一緒させていただくのは初めてでした。現場での立ち居振る舞いがとてもすてきな方だなという印象がありましたね。また、この由布子という女性も大変な役だったので、きっと苦労されただろうなと思いました。由布子は娘がいなくなったことをどのように捉えているかが分かりにくいんです。誘拐と思っているのか、それとも家出をしているだけだと思っているのか…。また、娘がいなくなった原因を知っているのか、そうでないのかもいまいち分からない。そのさじ加減は本当に大変だっただろうなと思います。また、今回は三宅健君との共演も楽しみでした。彰太との絡みは少なかったのですが、彼のパブリックイメージを裏切るような役に挑戦されているんです。彼がどのような演技をしているのか、僕も放送が楽しみですね。
◆なお、藤木さんがドラマWに出演されるのは17年ぶりになります。やはり気持ちも違うものですか?
スタッフさんは以前ご一緒した方が多かったので、そういった意味では慣れ親しんだ現場という印象でした。ただ、今回は岩田(和行)監督がかねてより仕事をしたかったというカメラマンさんをお呼びしていて。映画畑で活躍されている方でしたので、撮り方に少し違いを感じることがありました。例えば、ドラマだと俳優の顔に寄ったカットが多いですが、映画だとそうではないんですね。そのため完成した映像を見ると、全体的に広い画になっているなという印象がありました。やはり小説を映像化するわけですから、“画で魅せる”という強みを大事にされているんだなと感じることが多くて。もちろん、顔のアップで細かい表情を伝えることも大切ですが、それだけではなく、しっかりと作り込んだ映像がたくさん見られるのも今回のドラマの楽しみの1つだなと思います。