ニューアルバム収録の「Cheers!」は洗練されたポップセンスが光る、ほのぼのとしたナンバー。さらにドラマチックなロックチューン「Alright」では、バンドメンバーも心から演奏を楽しんでいるよう。豊崎さんも、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら音楽の喜びを表現していく。この日の“日替わり曲”1曲目は、ボサノバ風味のオシャレな「パティシエール」。この曲でちょっぴりロマンチックな気分にシフトすると、デビューシングルのカップリング曲「何かが空を飛んでくる」へ。おとぎ話のようなファンシーな世界観で、ホール内の空気をさらに和ませた。
バンドメンバー4人がステージ前方に出て、アコースティックなスペシャルバージョンで「マイカレー」を“ほっこり”と奏でたあと、コンサートはクライマックスに突入。バンドスタイルに戻って、楽器の生々しい音色がエモい「MORNING:GLORY」で口火を切ると、2ndアルバム収録の「See You Tomorrow」、テンポが速めの「シャムロック」で会場の熱気を高めていく。さらに、ボカロ風サウンドが新鮮な「ライフコレオグラファー」、ソウルフルなダンスナンバー「ハニーアンドループス」の2曲では、きらめく照明ワークも手伝って客席をダンスフロアに変貌させた。
「次は今伝えたいことを詰め込んだ曲です!」という彼女自らの曲紹介で披露したのは、ニューアルバム『caravan!』のリード曲「それでも願ってしまうんだ」。ハッピーなサウンドとポジティブなメッセージで彩られたこの曲で観客のクラップも最高潮に達し、ゆるやかで大きなグルーブに包まれたままコンサート本編のラストを締めくくった。