高校卒業したばかりの“殺し屋コンビ”が社会になじもうと奮闘する異色の青春映画「ベイビーわるきゅーれ」が7月30日(金)に公開。社交的で天真爛漫なちさとと、コミュ障のまひろのかみ合わないバディぷりが面白い今作の見どころを主演の髙石あかりさんが語ってくれました。
◆出演が決まった経緯からお聞かせください。
阪元裕吾監督の映画「ある用務員」という作品がありまして、殺し屋のお話で「ベイビーわるきゅーれ」で深川まひろ役の伊澤彩織さんとペアを組んでいる役だったんです。監督が「この子たちで新しい映画を」と思ってくださって、「ベイビーわるきゅーれ」に主演することになりました。
◆高校を卒業したばかりの女の子がアルバイトしながら実は殺し屋で。髙石さん演じる杉本ちさとは社交的だけど本心が見えず、伊澤さん演じる深川まひろはコミュ障という設定が面白かったです。
「ある用務員」でも似た設定でしたが、伊澤さんが演じたシホは「ベイビーわるきゅーれ」のまひろほどコミュ障ではなく、私が演じたリカはちさとよりはもっともっと子供っぽくキャピっとしたキャラクターでした。前作の舞台は高校だったので、今回は高校を卒業して「社会人になるぞ」という2人が描かれていて、ちょっと大人になったのかなと思います。
◆ペアで殺し屋をしているのでバディものでもあると思うのですが、伊澤さん演じるまひろとペアを組んだ感想はいかがでしたか?
初めてお会いした時から伊澤さんとはテンポ感がすごく合う方だなと思いました。だからコメディを2人でやれるのはすごくうれしかったです。お互いの良さを引き出せる関係だと思っていたので、ペアを組むのが伊澤さんで良かったなって思いました。
◆2人で暮らしているシーンはすごくゆるい空気感がありましたが、「ある用務員」があって打ち解けた部分も大きいのでしょうか?
「ベイビーわるきゅーれ」の撮影でグンッと距離が縮まった気がしますね。それほど長い撮影期間ではありませんでしたが、濃い時間を過ごすことができました。そうやって生まれた私と伊澤さんの空気感、そして撮影スタッフさんのアットホームな空気感があってこそ完成した作品だと思います。
◆2人の関係性も面白いですよね。チグハグなようでどこか通じ合っているというか。
2人とも面白いキャラクターですよね(笑)。対称的に見えるけど、2人の本質的な部分は似ているような気がしました。ちさとは感情を表に出しているように見えて、本心をあまり言わない。そこはまひろともリンクしていて、共通した部分があるからお互い引き寄せられるんだろうなと思いました。冒頭にも描かれていますが、まひろが一生懸命戦って、ちさとがバンッと撃っておいしいところをさらっていく…そういう関係性に注目しても面白いかもしれないですね。
◆ちさとと似ていると思った部分、逆に全然違うと感じた部分はありますか?
ちさととはものすごく似ていると思います。シーンによっては素でいこうと思っていたくらいで(笑)。ちさとは二面性があって、本質が見えないところが面白いと思うんです。キャピキャピして天真爛漫な子なんだけど、達観していて物事を俯瞰で見ている部分もある。そこも自分に似ているなと思っています。私もわりとドライな部分があったりするらしいんです。自分では分からないんですけど(笑)。
◆ふてくされたまひろに対しても「そんなこと言わずに頑張ろうよ」と励ますのではなく、「あなたがそう思うならそうなんじゃない?」って感じの接し方でした。
私はちさとのそういう部分が好きなんです(笑)。
◆髙石さんから見て伊澤さんとまひろは似ていました?
伊澤さんがご自分でおっしゃっていました。「似てる」って(笑)。ペアを演じた役者2人がどちらも役に似ているって奇跡だなと思いました。映画の中で伊澤さんと私の素の部分がたくさん見られる気がします。
◆しかも馬が合うなんて素晴らしい!
はい。たくさん素で笑ってます(笑)。
◆監督からはちさとについて、「こんな女の子にしてほしい」という要望はありましたか? それとも自由にやってくださいという感じでした?
「自由にやっていいよ」と言ってくださったので、伸び伸びやらせていただきました。「ある用務員」の伊澤さんと私の感じが監督の好みだったのか、「自分たちのやりたいようにやっていいよ」と言ってくれて、監督はモニターを見ながらずっと笑っていらっしゃいました。“声入っちゃうよ”と思いながら見ていると、監督は私たちが何かやるたびに「ぷぷっ…」って堪えているんですね(笑)。作品そのものが監督のお好きなものを形にしていると思うので、その世界に近いお芝居をすることができて良かったなって思います。
◆自分からアイデアを出しても大丈夫そうな現場ですね。
そうですね。「これからのシーンは1カット分なしにして、今から演出をつけます」みたいなこともあったんです。そんな時は「今覚えないといけない!」と必死でした。でも後から思えば、監督はせりふに囚われないようにして、素を引き出そうとしてくれていたのかもと思いました。
◆アクションも大変そうでした。過去にアクション撮影の経験はあったのですか?
全然ありませんでした。銃を持ったこともないので、最初は大丈夫かなと思いました。ちさととまひろは日常が殺し屋なので、銃を持っていて不自然に見られたくなかったんです。ちさとの銃を持つ姿が自然すぎて逆に不自然…そう見えるようにしたくて、カメラが回っていない時も銃を持ち歩いていました(笑)。
◆プロの殺し屋らしく見えるように銃を構える時はどんなことを意識しましたか?
先生は本物の銃を撃ったことがある方で、撃った後の体の衝撃や余韻を教えていただきました。本物の銃を持った時にどう感じるのかを意識していたと思います。
◆殺しには慣れている2人が「アパートの契約の仕方ってどうやるの?」と言ったりして、まだまだ生活力がない感じも面白かったです。
殺しを依頼する協会的なところが、アルバイトをさせたり、2人暮らしをさせてコミュニケーションを取れるようにしたりとか、社会性を身につけさせようとしてるという設定みたいです(笑)。殺し屋だけど2人とも高校を卒業したばかりということが分かる描写がいろいろあって、そこも「ベイビーわるきゅーれ」の面白さなのかなと。私が大好きなところでもあります。
◆殺し屋と高校を卒業したばかりのフリーター、どちらが2人にとって日常なのかと思ったりもしますが、そのギャップがかわいかったですね。
私はこの作品全体が二面性で出来ていると思っています。ちさととまひろが対照的なキャラクターだったり、殺し屋とフリーターという裏と表の顔を持っていたり。そして高校生から社会人になり子供から大人になっていく。その中でゾッとしたかと思うと、クスっと笑えたりもする。ジェットコースターのようなアトラクションに乗っている気持ちで見ていただけたらと思います。
PROFILE
髙石あかり
●たかいし・あかり…2002年12月19日生まれ。宮崎県出身。2016年ダンス&ボーカルグループ、aーX’S(アクロス)のメンバーとしてデビュー。グループを卒業後、女優活動を本格的に始め、舞台を中心に活躍。2021年8月7日(土)から始まる舞台「鬼滅の刃 其ノ弐 絆」に竈門禰豆子役で出演する。
作品紹介
映画「ベイビーわるきゅーれ」
2021年7月30日(金)より全国順次公開
(STAFF&CAST)
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
出演:髙石あかり、伊澤彩織
三元雅芸、秋谷百音、うえきやサトシ、福島雪菜/本宮泰風
水石亜飛夢、辻凪子、飛永翼(ラバーガール)、大水洋介(ラバーガール)、仁科貴
(STORY)
高校を卒業したばかりのちさととまひろは、表の顔として「社会人」をしなければならず途方にくれていた。組織に委託された人殺しの他は、何もしてこなかった彼女たちに、公共料金の支払い、年金、税金などの社会の公的業務やアルバイト先の人間関係といった現実がのしかかってくる。ルームシェアを始めるもコミュ障のまひろは、バイトをそつなくこなすちさとに嫉妬して2人の関係も険悪に。しかし殺し屋の仕事は忙しく、ひょんなことからヤクザにうらみを買った2人は面倒なことに巻き込まれる。
●photo/金井尭子 text/佐久間裕子 hair&make/杏奈 styling/髙橋美咲 衣装協力/ATSUSHI NAKASHIMA
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