城桧吏「都会のトム&ソーヤ」で映画初主演「いろんな世界にチャレンジしていきたい」

特集・インタビュー
2021年07月30日

シリーズ累計200万部を超える、はやみねかおるの推理小説「都会のトム&ソーヤ」が実写映画化され、7月30日(金)より公開される。一見ごく普通だが実は類まれなるサバイバル能力を持つ中学生・内藤内人が、財閥の御曹司である秀才の同級生・竜王創也と共に謎解きゲームのクリアを目指し、街中で推理と冒険を繰り広げる本作。主演を務めるのは、気鋭の若手俳優・城桧吏さん。今作の見どころ、そして撮影中のエピソードをたっぷりと語っていただきました!

◆映画「都会のトム&ソーヤ」は、絶大な人気を誇るジュブナイルミステリー小説が原作です。

小学生の時によく読んでいました。学校の図書室に置いてあったんです。表紙の内人と創也のかわいいイラストに惹かれて、手にしたのが最初でした。僕は普段あまり本を読まないのですが、この「マチトム」シリーズは、普通の中学生がいろんなところに忍び込んで冒険するのが面白くて。それに、わくわくするシーンもたくさんあるのですらすらと読めてしまうんです。一度読み始めると、一気に引き寄せられる魅力があるなと感じていました。

◆その愛読書の主人公である内人役を演じることになって、驚いたのでは?

びっくりしました(笑)。しかも、内人はサバイバル能力があるキャラクターなので、撮影がすごく楽しみになりました。シナリオを読んだら「マチトム」らしい、ちょっと不思議な世界観が見事に盛り込まれていて。“これが映像になったらどんな感じになるんだろう”とわくわくが止まらなかったです。

◆劇中には原作同様たくさんの謎が出てきますが、城さんは解くことができましたか?

いえ、ほとんど分かりませんでした(苦笑)。特に今作はリアル脱出ゲームの要素が強いんです。問題の中にヒントが隠されているだけじゃなく、生活や身の回りの環境の中から答えを導き出すところもあったので、本当に難しくて。いろんなことを学べてよかったです。

◆城さんから見て、主人公の内藤内人はどんな人ですか?

明るくてユーモアのある子です。自分では“至って普通の中学生”と言ってますが、友達を大事にし、仲間思いで、ピンチの時にはすごく頼りがいもある。陽気な性格は僕自身と似ている部分があるなと思いました。意識したのは、やっぱりサバイバル能力が高いというところ。サバイバル指導の先生からも、音を出さないようにする歩き方や、視野を広げて周りを見る方法などを教わって。それを実践しながら演じていきました。

◆初主演になりますが、現場はいかがでしたか?

やっぱり初めて主演させていただくとあって、緊張とプレッシャーがありました。しかも、共演者の皆さんがすごく豪華で、最初は圧倒されてしまいました。ただ、市原隼人さんとは以前、別の現場で少しだけお話をする機会があったので、またこうして共演させていただけたことがうれしかったです。他の皆さんからも、「緊張しなくていいよ」「いつもどおりにやればいいよ」と言っていただけたので、楽しく撮影に挑めました。

◆同年代の共演者とはどのように関係を築いていったのですか?

コミュニケーションを取るのが大事だと思ったので、撮影の合間には創也役の(酒井)大地をはじめ、みんなとよくおしゃべりをしたり、あと「人狼ゲーム」などをして交流を深めていました。

◆酒井大地さんとは初共演ですよね。

はい。クランクイン前に何日間かリハーサルがあって。僕はそこに途中から参加することになって、少し緊張していたんです。でも、大地が気軽に話しかけて来てくれたおかげで、みんなの輪の中に入りやすくなりました。大地にはおとなしそうなイメージがあったのですが、実際は全くそんなことなくて。いつも冗談を言い合っていました。飲み物を一緒に買いに行ったら、偶然同じものを選ぶこととかもあって(笑)。好みが似ていて気が合う感じだったのもすごくよかったです。

◆では、城さんから見た竜王創也の魅力とは?

ちょっと頭が堅いところがありますけど、一つのことに熱心に挑戦する強さを持っているのがカッコいいです。あまり感情を表に出さないその裏で実はいろんなことを考えているし、すごく頼りになる。ホント、いいキャラですよね(笑)。内人とはお互いにないものを補い合っている関係ですし、最高のコンビだなと思います!

◆映画の中では2人の活躍の場がたくさんありますが、印象的なシーンは?

走る場面がすごく多かったのですが、その中でも、太陽をバックに走りながらスローモーションになるシーンがあって。大地と一緒に「すごくきれいだね!」って言いながら、笑顔で走ってました。その時は普段の僕たちの関係と、映画の中の内人・創也がシンクロしているようで、“青春だぁ!”って感じたのを覚えてます。

◆アクションシーンも多いですよね。

アクションは以前からずっとやってみたかったんです。その夢がかなったのと、アクション指導の方から「できるじゃん!」って褒めていただけたのがすごくうれしくて。体を動かすのは大好きなので、これからも殺陣などいろんなアクションに挑戦していきたいなと思いました。

◆ちなみに、内人のようなサバイバル能力を城さん自身は持っていると思いますか?

いや…ないほうだと思います(笑)。なので、もし無人島に行ったら間違いなくピンチです(笑)。内人だとその場にあるもので何とか生き延びる方法を見つけそうですけど、僕にはそんな知識が全くないので。一人で漂流したら、本当に困ります(笑)。

◆では、内人や創也のように好奇心は旺盛なほうですか?

そうですね。普段、街を歩いていると“これは何だろう?”って興味を持つことは多いです。でも、あえて調べないようにしているんです。すぐ検索して、正解を知ってしまうのがちょっとつまらない感じがして。知らないからこそ、いろんな想像が頭の中に膨らんでいくので、その世界で楽しむことが多いですね。

◆最後に、城さんが感じるお芝居の楽しさとは?

普段だと出来ないことが可能になるところです。今回の撮影でも地下道とか、なかなか入れない場所に行けたことが本当にうれしくて。それに、自分とは違う性格の人間を演じられるのもすごく楽しいです。例えば、作品によっては近未来感のあるSFの世界で特殊な人物を表現することもできますし、何にでもなれる。なので、これからもいろんな世界にチャレンジしていきたいです。

PROFILE

城 桧吏
●じょう・かいり…200696日生まれ。東京都出身。カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した映画「万引き家族」に長男・祥太役で出演。主な出演作に、大河ドラマ『西郷どん』、ドラマ『グッド・ドクター』『ドクターX~外科医・大門未知子~』、映画「約束のネバーランド」「HOKUSAI」など。

作品紹介

映画「都会のトム&ソーヤ」
2021年730日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、イオンシネマほか全国公開

STAFFCAST
原作:はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ」(講談社YA!ENTERTAINMENT)
監督:河合勇人
脚本:徳尾浩司
音楽:日向萌
謎監修:SCRAP

出演:城桧吏、酒井大地、豊嶋花、中川大志 、玉井詩織(ももいろクローバーZ)、森崎ウィン、本田翼、市原隼人ほか

STORY
運動も勉強も全てにおいて“普通”を極めた中学生の内藤内人。ある日、下校途中に学校一の秀才・竜王創也の後を追ううちに、彼の秘密の部屋へと足を踏み入れてしまう。そこはゲームクリエイターを目指す創也のアトリエだった。内人の高いサバイバル能力を見抜いた創也は、正体不明のゲームクリエイター「栗井栄太」が街中を舞台に仕掛けたリアルロールプレイングゲームへと誘うのだが…。

●photo/映美 text/倉田モトキ

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