◆また、今作は奈緒さんにとって初主演になりますね。そのことへのプレッシャーなどはありましたか?
稽古に入る前は“舞台での主演ってどうすればいいんだろう?”と、いろいろ考えてしまいました。でも、結局最後まで自分が主演だという感覚はあまりなかったです(苦笑)。それに、私にとってお芝居の師匠のような方が本番を見に来てくれたのですが、感想を聞いたら、「奈緒は主演っぽくないところがいいね」と言われて(笑)。でも、本当にその言葉のとおりだなと思いました。
◆では、あまり主演を意識することもなく?
そうですね。共演者の皆さんが私のことを時々、“主演が、主演が”と呼んでくださるので、その時に“そうだ、私は主演なんだ”とあらためて思い出すくらいでした(笑)。…あ、ただ、1つだけすごく主演らしいことをさせていただきました。
◆それは何でしょう?
現場の雰囲気がよくなりそうなことは積極的に行動に移していこうと思い、おそろいのTシャツを作っていただいたんです。以前から、カンパニーで同じTシャツを着てみたいという夢があって、そうしたわがままを提案できるのは主演の特権かなとも思いまして(笑)。自分で描いた絵や撮った写真を組み合わせてデザインしたのですが、田村たがめさんをはじめ、女性キャストの皆さんからの反響もよく、「毎日着たいから、黒と白の両方の色が欲しい」と言っていただけたのは本当にうれしかったですね。