◆確かにあのゴキブリ走法の表現の仕方には“やられた!”と思いました。
だって、あの手法をファンの方がSNSで紹介したら、“いいね!”が10万も付きましたからね(笑)。そうした舞台ならではのアナログな表現で「パタリロ!」の世界を形にできるのも、実写の面白さの一つだなって思いますね。
◆原作者の魔夜峰央先生から感想をお聞きすることはあるんですか?
はい。みーちゃん先生(魔夜)とはこれまでにも何度かお話をさせていただき、今回の舞台も千秋楽を見てくださいました。面白かったのが、今回はカーテンコールの後に、最後のお客さんが劇場を出られるまで僕と顕作さんでステージ上からお見送りをするということをしていたんですね。そうしたら、みーちゃん先生が「俺も仲間に入れろ!」って急遽登壇されて(笑)、トークに参加してくださったんです。その時、「この『霧のロンドンエアポート』はぜひいつか再演してほしい」とおっしゃってくれて。そんなことを言われたのは初めてだったので、すごくうれしかったですね。それに、「デミアンの話もまた書きたいな」と話されていたので、もしかしたら僕たちがみーちゃん先生の創作意欲に火を付けられたのかなと思って、幸せな気持ちになりました。
◆そうした話を聞くと、先生と一緒に作っている感じがしますね。
ただ、先生は『パタリロ!』を書く時、勝手に筆が動いちゃうんですって。ですから、以前「僕が演じるパタリロに引っ張られることってあるんですか?」と聞いたら、「それはないから大丈夫!」と言われました(笑)。「だからこそ、諒君は自分が思うパタリロを演じればいいんだよ」って。
◆それはある意味、先生から認められているということでは?
どうなんでしょう…(笑)。でも、「パタリロを演じられるのは加藤諒しかいない!」と言ってもらえているのはすごくうれしいです。それに、僕にとっても「パタリロ!」は初めて主演を務めさせていただいた舞台なので、ターニングポイントでもありますし、本当に一生続けていきたい作品ですね。