◆村上虹郎さんとは初共演ですね。
はい。勝手なイメージですが、鋭い存在感のある方という印象があります。稽古場でも才能の塊のようなオーラを発していて。すごくうらやましいです。また、藤井隆さんとも初めましてですが、以前から藤井さんが歌われている楽曲が大好きで。前に、清水ミチコさんのコンサートに伺った時、ゲストで登場した藤井さんが歌った曲にすごく感動して、帰り道で踊りながら歌って帰った思い出があるぐらいなんです(笑)。今回の舞台でも藤井さんが歌うシーンがありますので、それもすごく楽しみですね。
◆また、今回は役者としての宮藤さんとも同じステージに立つことになりますね。
何だか変な感じがしますね(笑)。『あまちゃん』の時は、時々あいさつをさせていただくぐらいで、ずっと遠い存在だったんです。ですから、同じ稽古場でせりふをしゃべっている宮藤さんを見ると不思議な感覚になります。もちろん、俳優として出演されている舞台や映像作品を拝見しているので、決して珍しい光景ではないんです。でも、最初に読み合わせをしたときは、“宮藤さんがせりふをしゃべってる!?”っていう気持ちになりました(笑)。
◆(笑)。では、のんさんが感じる宮藤さんの作品の魅力とは?
今回の台本を読んだ時にも感じたのですが、小学生がそのまま大人になったような才能をお持ちだなと思いました。小学生のころって、誰もが面白く、柔らかい発想力を持っていて、みんな天才だと思うんです。そうした感性をずっと持ち続けている方ですし、そこがものすごくすてきで憧れます。それに、宮藤さんが書かれるお話には登場人物たちの悪い一面や恥ずかしいところがストレートに描かれていて、それなのに不思議と気持ちよさや愛おしさを感じるんですね。今回のNONという役も、超能力を使おうとすると変な顔になるという笑える要素を付け加えているところが宮藤さん節なのかなと感じますし(笑)、そうしたバカバカしさがありつつも、突然心臓に突き刺さってくるすてきなせりふも散りばめられているんです。しかも、そうやって大笑いをして油断している時に、ふいに鋭く刺さってくるから、より素直な気持ちで宮藤さんのメッセージを受け止めることができる。そうしたところも宮藤さんの作品の魅力であり、大好きなところですね。