◆善逸の評判が良かったことは植田さんにも届いていると思いますが、どう感じましたか?
ありがたいです。自信を持ってやっていた部分もありますし、それがちゃんと届いて、楽しんでもらえたことは、すごく幸せなこと。日本のみならず、世界で人気の作品ですから、単純に出演するだけでも反響はありました。家族からの食いつきも、僕の俳優人生で一番大きかった(笑)。みんな、“見に行きたい!”と言ってくれましたから。今回もそう言ってくれたので、親孝行にもなっているのかなとうれしくなりました。
◆前作の反響があった上での今作の上演。さらに注目度が増していると思います。どのような意識で臨んでいますか?
ストーリーが進むにつれて、「鬼滅の刃」はエピソードごとに登場キャラクターがガラッと変わっていくことになる。なので、必然的に舞台も一作目とは全く違う座組になるんですよね。シリーズものですが、一作目で一緒だった6人以外は、全員新キャストなんです。その上で、この“那田蜘蛛山”のシーンには善逸の見せ場もありますし、自分としてもやりたいところではあった。なので続投できることは単純に、とてもうれしかったです。“どう表現するんだろう!?”“どんな演出がつくのか!?”と楽しみながら、課題をクリアしていこうと思っています。
◆炭治郎役の小林亮太さんなど、共に行動する仲間たちの印象は変わりましたか?
亮太は、本当に炭治郎と同じ早さ、時間経過で役者として成長しているので、とても頼もしい。あの年齢にも関わらず、人間としてもかなり完成された男で、本当に素晴らしい俳優さんです。(本田)礼生は前からよく一緒で、今年ももう何度も顔を合わせているので、あまりなんとも思わない…なんて言ってはいけないか(笑)。年齢も近いですし、気の合う仲間といった感じ。礼生にできないことは何もないぐらい、本当に動ける人だなと思います。(竈門)禰?豆子役の髙石あかりさんは、ハイパースペック女子。別作品で共演した時から感じていたことなんですが、スキルに強靭な精神力、そしてこれからのビジョンと、全てが備わっている。10代の女性とは思えない、素晴らしい女優さんです。あの身のこなしは簡単にはできないですし、演出家の末満健一さんに言われたことも、一つずつ努力して、着実にクリアにしていましたからね。末満さんの演出は本当に細かくて、他の現場の3倍以上、覚えることが多いんです。あまりお客さんには伝わらないところまで完璧に計算されているので。伊之助は…もうね、我々とは違うところで戦っているんです。猪頭をかぶって動くのは、相当大変だと思います。重さもあるし、視界も限られる。彼はかなりアクロバティックな動きもできる人ですが、それをやりすぎると、あの頭が外れてしまう。いろんな制約がある中で、本当に頑張っています。