鈴木梨央「自分が感じた声を乗せていくことがすごく楽しいです」「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」

特集・インタビュー
2021年08月13日

◆声優を担当してルルという女の子の魅力はどんなところだと思いました?

周りの人たちまで明るくさせてしまうパワーを持っています。でも見えないところでは一生懸命だし、努力もしている…その姿がとても魅力的だなと思いました。ルルには天真爛漫で無邪気な女の子という印象があったので、自分自身も気持ちを高く、明るめを意識しました。普段の私はそんなにテンションが高いわけではないので、ルルちゃんのかわいさ、幼さみたいな部分を引き出せるように、画の表情を見ながら気持ちを合わせられるよう、その時の情景によって声を変えたりしながら演じました。

◆監督さんや音響監督さんからはどんなディレクションがありましたか?

「もっと明るく」と言われることが多かった気がします。ちょっとした会話のシーンでもルルの気持ちが下がってしまうと、シリアスに聞こえたり暗く見えたりするので、少しでも元気に見えるように意識しました。叫びながら言うせりふでもずっと叫ぶのではなく、自分の中でかみ締めて言うような心の叫びみたいな、気持ちの変化を表現するのが難しかったので、そこは監督さんや音響監督さんからご指示を頂きました。

◆明るくするポイントみたいなものはありましたか?

自分は16歳だけど、ルルちゃんは少し年齢が低い女の子なので、自分の幼い時はどんな感じの表現をしていたのかなと考えたりしました。ルルちゃんが笑いながらドヤ顔で言うせりふは、ルルちゃんの画の表情を見ながら感情を調整して、今より幼い時にわがままを言ったり、ちょっとふざけている時の気持ちを自分の中で巻き戻して考えてみました。そうやってルルちゃんの好奇心旺盛な部分も意識して演じました。

◆声だけで表現する時の難しさを教えてください。

私が声優さんのお仕事で一番難しいなと思うのは、距離感の出し方です。実際は自分が動いているわけではなく、マイクが目の前にあり、映像を見てせりふを言うことになります。それが収録ではマイクは目の前にあるけど、遠くの人に向かってせりふを言う。ルルちゃんの場合、空を飛びながら遠くの人に向かって声を掛けるせりふが多かったので、自分が空を飛んでいるような気持ちになって、遠くの人に言葉を投げかけるように言うことを意識しました。

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