鈴木梨央「自分が感じた声を乗せていくことがすごく楽しいです」「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」

特集・インタビュー
2021年08月13日

子供たちに大人気のアニメ『おしりたんてい』(Eテレ)の劇場版第3弾「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」が8月13日(金)より全国公開します。今回の事件のカギを握るおてんばな女の子・ルルの声を担当したのは鈴木梨央さん。子供のころ、絵本を読んでいたという鈴木さんに、「おしりたんてい」の魅力や思い出、声だけで表現する声優の仕事の楽しさを語っていただきました。

◆声優として「おしりたんてい」に参加することが決まった時の心境はいかがでしたか?

「おしりたんてい」という作品に私も携わることができるんだという思いと、小さいころに読んでいたので懐かしい気持ちにもなりました。当時は自分が「おしりたんてい」の世界に自分が入れるなんて思っていなかったので、すごくうれしかったです。

◆「おしりたんてい」にまつわる思い出があれば教えてください。

アニメ化されたのは中学生になってからなので、小さいころは絵本に触れる機会が多かったんです。6、7歳のころに学校の図書室で読んだり、読み聞かせの時間に「おしりたんてい」を読んでもらったりしていました。そして2、3年前に私のいとこが「おしりたんてい」を読んでいて、懐かしいなと思っていたら、「アニメやってるんだよ!」と教えてくれたんです。その時に聴いた「おしり、おしり」というフレーズがとても印象的で(笑)、一度聴いたら頭から離れないくらいのインパクトがありました。

◆映画の脚本を読んでどんなことを感じましたか?

スフーレ島で暮らすおてんばな女の子・ルルを演じたのですが、ルルがハラハラドキドキして、でもたくさんの人たちに支えられて、成長していく姿に感動しました。早くルルを演じたいなと思うと収録が待ち遠しかったです。

◆声優を担当してルルという女の子の魅力はどんなところだと思いました?

周りの人たちまで明るくさせてしまうパワーを持っています。でも見えないところでは一生懸命だし、努力もしている…その姿がとても魅力的だなと思いました。ルルには天真爛漫で無邪気な女の子という印象があったので、自分自身も気持ちを高く、明るめを意識しました。普段の私はそんなにテンションが高いわけではないので、ルルちゃんのかわいさ、幼さみたいな部分を引き出せるように、画の表情を見ながら気持ちを合わせられるよう、その時の情景によって声を変えたりしながら演じました。

◆監督さんや音響監督さんからはどんなディレクションがありましたか?

「もっと明るく」と言われることが多かった気がします。ちょっとした会話のシーンでもルルの気持ちが下がってしまうと、シリアスに聞こえたり暗く見えたりするので、少しでも元気に見えるように意識しました。叫びながら言うせりふでもずっと叫ぶのではなく、自分の中でかみ締めて言うような心の叫びみたいな、気持ちの変化を表現するのが難しかったので、そこは監督さんや音響監督さんからご指示を頂きました。

◆明るくするポイントみたいなものはありましたか?

自分は16歳だけど、ルルちゃんは少し年齢が低い女の子なので、自分の幼い時はどんな感じの表現をしていたのかなと考えたりしました。ルルちゃんが笑いながらドヤ顔で言うせりふは、ルルちゃんの画の表情を見ながら感情を調整して、今より幼い時にわがままを言ったり、ちょっとふざけている時の気持ちを自分の中で巻き戻して考えてみました。そうやってルルちゃんの好奇心旺盛な部分も意識して演じました。

◆声だけで表現する時の難しさを教えてください。

私が声優さんのお仕事で一番難しいなと思うのは、距離感の出し方です。実際は自分が動いているわけではなく、マイクが目の前にあり、映像を見てせりふを言うことになります。それが収録ではマイクは目の前にあるけど、遠くの人に向かってせりふを言う。ルルちゃんの場合、空を飛びながら遠くの人に向かって声を掛けるせりふが多かったので、自分が空を飛んでいるような気持ちになって、遠くの人に言葉を投げかけるように言うことを意識しました。

◆アニメの声優や洋画の吹き替えもいろいろやっていらっしゃいますが、声だけで表現することの楽しさはどんなところだと思いますか?

演じているキャラクターに合わせて、ガラッと声を変えられるのが楽しさだと思います。そして映像の表情を見て、自分が感じた声を乗せていくことがすごく楽しいです。

◆ルルちゃんみたいに空を飛べるとしたら、どんなことがしたいですか。現実的なことを聞いてしまいますが、高いところは大丈夫?

全然ダメです(笑)。でも飛行機に乗って窓の外を見ると「すごいな」と思うし、小さいころは雲はふかふかで乗れるんだと想像したりしました。想像なら空ってどこまであるんだろうって、自分の限界まで飛びたいですね(笑)。上に上に!

◆16歳になってあらためて「おしりたんてい」に触れて、感じ方は変わりましたか?

小さいころに読んでいた感情と、16歳になった私が読んだ感情は違いました。小さいころは、「おしりたんてい、かわいい!」「おしりたんてい、すごい!」「優しいな~」と思いながら読んでいましたが、自分が年齢を重ねるとおしりたんていとブラウンの関係性や、おしりたんていがいるからこそ成り立っているものがたくさんあるんだなって、深く考えるようになりました。

◆ルルちゃんのように成長したからこそ、自分が大事なものに気づいた経験があれば教えてください。

これまでたくさんのオーディションを受けてきましたが、うまくいかなくて落ちてしまうこともあるんです。そういう時は悲しいし、悔しいという気持ちが強くて。このままでいいのかなと迷った時期もあり、やめてしまおうかと思うこともあって…。でも周りの人たちに支えられて、「次、頑張ろうよ!」と背中を押してくれたからこそ、今の自分がいる気がします。だから、みんなに支えてもらったこと、そして初心を忘れないことは、私の今を支える大事なモチベーションになっていると思います。

◆続けて来られたのは、やはりお芝居が好きだから?

自分からこの世界に入ってみたいと言いましたし、ずっとお芝居が好きなのは変わりないです。でも悔しさや「何でできないんだろう…」って気持ちが募っても、やっぱり好きって気持ちが勝つんです。その時に支えてくれた家族や事務所の皆さんに感謝の気持ちを忘れずに、これからも続けていきたいと思います。

◆くじけそうになった時のリフレッシュ法はありますか?

私は音楽を聴いたり、友達と話すことがリフレッシュになります。ひたすら好きな音楽を聴いて楽しんだり、友達と会話をするだけで、悔しかったことが忘れられたり、次は頑張ろうって落ち込んでいた気持ちが上がったりするので、そういう時間も大切なんだなって思います。

PROFILE

鈴木梨央
●すずき・りお…2005210日生まれ。埼玉県出身。2012年ドラマ『カエルの王女さま』で子役としてデビュー。2013年大河ドラマ『八重の桜』で綾瀬はるか演じる主人公・八重の幼少期を演じ注目される。ドラマ『青のSPー学校内警察・嶋田隆平』、『ひきこもり先生』、映画「こどもしょくどう」などの出演。主演ドラマ『命のバトン〜赤ちゃん縁組がつなぐ絆』が今秋放送予定。

作品紹介

「映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ」
2021813日(金)より全国公開

STAFFCAST
原作:トロル「おしりたんてい」シリーズ(ポプラ社)
監督:座古明史
脚本:高橋ナツコ 脚本協力:成田順
音楽:高木洋
制作:東映アニメーション
声の出演:三瓶由布子 齋藤彩夏 杉村憲司 池田鉄洋 小西克幸 中村まこと 櫻井孝宏 渡辺いっけい
鈴木梨央 千葉繁 神谷浩史 神谷明

STORY
年中風が吹く島、スフーレ島にかいとうUから島の宝「風のみちしるべ」を狙っているという予告状が届く。島を訪れたおしりたんていは空を自由に飛び回る少女ルルと出会う。島の外の世界を見たいと思っているルルだが、島の人々の生活に欠かせない大灯台を守るという家のきまりに縛られていた。おしりたんていはかいとうUから「風のみちしるべ」を守ろうとするが……。

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photo/関根和弘 text/佐久間裕子 衣装協力/merlot

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