◆個人的に好きなシーンはありますか?
特にバディのシーンが好きですね。喜多見先生と千住(幹生)さん(要潤)のシーンで、「止めても無駄ですよ」「足引っ張ったらぶっ飛ばす」「了解!」ってやりとりとか(4話)。喜多見先生と高輪千晶(仲里依紗)さんのグータッチ、音羽先生のエアーグータッチも好きですし、5話の手術シーンのあとに倒れ込む音羽先生を抱きかかえる喜多見先生の笑顔も。好きなシーンがすごくたくさんあるので、台本を読んで泣いて、OAを見ても泣いてしまうんです。毎週、そんな状態です(笑)。
◆ご自身のシーンで印象的だったのは?
妊婦の彩乃さんに「大丈夫ですよ、必ず助けは来ますから」って励ますシーン(5話)の時、リハーサルから感極まってしまって。ずっと声の震えが止まらなかったんです。彩乃さんも本当に苦しそうで、皆さんの演技で本当に赤ちゃんの命の危機を感じたし、音羽先生も必死に命を救おうとしている。それで感情が高ぶってしまったんだと思います。そうしたら、本番前に演出の松木(彩)さんが来てくれて、「涼香はすごく強い人で、彩乃さんを一生懸命励まそうとしてるから、強い心を持ってね。今は“必ず助けるんだ”って気持ちだけで。泣かないで」って言われて。“ここは涼香の意志をちゃんと持って演じなければいけないな”と感じた瞬間でもあったので、あのシーンはすごく印象的でした。
◆演じることに対して、自分の中でつかめた瞬間はありますか?
エレベーターのシーンですごくお世話になった松木監督が、8話も演出をされていて。8話の撮影の合間に、「5話の赤ちゃんが助かった時の栞里ちゃんの涙は、どうやって出たものなの?」って聞かれたんです。「演じてるという感覚は正直なくて、皆さんの演技を見ていたら“赤ちゃんを助けることができて本当に良かった”って思って。だから視聴者として泣いただけなんです」とお伝えしたら「それも立派な演技ですよ」って言ってくださって。そのことがものすごくうれしくて。“お芝居できてたのかもしれないな”ってちょっとだけ自信になりました。いつも松木さんが涼香の感情を伝えてくださるので、涙が流れたりとか、心から怒りを込めて「最低!」って言えたりする(笑)。やっぱり松木監督との出会いはとても大きいなと感じています。
◆『TOKYO MER』という作品の魅力はどんなところだと思いますか?
涼香のせりふで「誰にだってできることはあると思います」という言葉があって。“どの立場、どんな状況でも、今自分にできることは何かを考えて、探して、見つけて、もし行動することができたら、その場にいる誰か1人でも笑顔になってくれたら、私はここにいて良かったんだなって感じられる”と、そのせりふから思いました。その話(6話)も、MERの皆さんそれぞれが自分にできることを最大限に表現していて、私も一視聴者としてすごく勇気をもらえたんです。私は常に自信がないタイプなんですが、毎話、毎話“自分にできることは何だろう”“明日じゃあこれを実践してみよう、頑張ってみよう”って気持ちになれる作品だなと感じました。