佐藤栞里「一視聴者としても、涼香としても、音羽先生の笑顔は見たいなって感じています」『TOKYO MER~』今夜9話放送!

特集・インタビュー
2021年08月29日

『TOKYO MER』佐藤栞里インタビュー

現在放送中のドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系 毎週日曜 後9・00~)で、主人公・喜多見幸太(鈴木亮平)の妹・涼香を演じている佐藤栞里さん。入院中の子供たちやその家族をサポートするNPO法人で働く姿や、唯一の家族である兄に対する理解者ぶりからは、涼香の優しさと芯の強さが感じられます。連続ドラマへのレギュラー出演は初めてということもあり、「まだ正直、毎回不安な気持ちがあります」と本音も。初めて尽くしの撮影エピソードをたっぷりと語っていただきました。

 

◆今回演技に本格的に挑戦してみて、いかがですか?

ドラマの撮影現場って、“失敗”がない世界なんだなって感じました。「もう1回撮り直してみよう」と言っても、それは“もっと良くなるんじゃないか”という思いからで。それがとってもすてきだなって。まだ正直、毎回不安な気持ちや緊張があるんです。けど、スタッフや共演者の方が涼香について「涼香ってきっとこういう人だよね」「こうやったら涼香になれるよね」と示してくださるので、“皆さんのおかげで、今、涼香になれたかもしれない!”って感じられる瞬間がすごく楽しいです。

◆特に面白さを感じられたシーンはありますか?

例えば5話のエレベーターに閉じ込められたシーンで、音羽先生をにらみつけて「最低!」って言うせりふ。正直そういう表情とか言葉を普段使ったことがなかったので、“どうしたらいいんだろう”って思ってたんですね。その時、賀来賢人さんが「怒りの表情をしたい時は、アゴを出したらいいんだよ」って教えてくれたんです。「なるほど! アゴを出せばいいんですね」ってカメラに向かってアゴを出しながら「最低!」って言ったら、賀来さんが「ウソだよ!」ってすっごく笑いながらツッコんでくれて。その瞬間、スタッフさんやカメラマンさん、現場にいた皆さんが笑ってくれて、フッと緊張が解けた感覚があったんです。それまでは不安とか、“周りの方に迷惑をかけちゃいけない”“失敗しちゃいけない”って気持ちばっかりだったんですけど、賀来さんが和ませてくださったことで緊張が解けて、涼香に集中できた気がしています。本当に感謝しています。

◆涼香を演じる上で、どんなところを意識していますか?

演技や役作りを今までしたことがなかったので、最初はどうしたらいいか分からなかったんです。でも、そういう時にお兄ちゃん(喜多見幸太)の顔を思い浮かべると、自然と涼香になれるような感覚があります。涼香は人一倍思いやりがあって、優しくて、正義感もあって…。こうしてイメージを並べていくと、“喜多見幸太の妹なんだな”って感じる部分が多くて。実際にOAを見ても“お兄ちゃんってこういう人だよな~。じゃあ、明日の撮影もお兄ちゃんを思い浮かべながら演じてみよう”って思うんです。現場で演出の方も、涼香の気持ちをお話してくれるので、それで涼香になれているのかな、近づけているのかなと感じています。

◆鈴木亮平さんの現場での印象は?

本当にすてきな方です。撮影初日、私が信じられないほど緊張していたんですけど、それに鈴木亮平さんがいち早く気づいて、カットが終わった時に「僕たち、目もすごく垂れているし身長も高いから、本当の兄妹みたいだよね」って言ってくださって。“私はここにいていいのかもしれない”と、とても安心しました。4話の撮影で私のセリフのタイミングが遅くてもう一度、となった時も「大丈夫だよ、何回もやればいいから」と言ってくださったり。5話のエレベーターまで降りてくるシーンの撮影の時に、どうやらヘルメットが少しきつかったみたいで、渡してくれたスタッフの方に「あれ、ちょっと小さいな。俺、今日頭腫れてるのかな(笑)」 と笑いながらおっしゃっていました。“サイズがきつい”ということをユーモアを交えてお伝えになっていて、そのスタッフさんも周りのみんなも笑っていて、こういう亮平さんのお人柄とか優しい言葉が、この現場のあたたかさを作り出しているんだなと、なんだかジーンと来てしまいました。周りを常に見ている方ですね。“本当にカッコいいお兄ちゃんだな~”“自慢のお兄ちゃんだな~”って思っちゃう時があります(笑)。

◆涼香の衣装やビジュアルに関して、佐藤さんから提案したことはありますか?

いえ、初めての現場ですし、そんなおこがましいです(笑)。ヘアメイクさんが「きっと涼香は優しくて子供思いだから、髪はストレートじゃなくて巻いたほうが優しく見えるよね」って考えてくださったり、衣装さんが「音羽先生と2人きりのシーンだから、ワンピースを用意してみたよ」って言ってくれたり。皆さんの涼香のイメージを聞いて、いつも勉強させてもらってます。

◆涼香のキャラクターに共感できるところや、すてきだなと思うところはありますか?

出演のお話をいただいた時にプロデューサーさんから、「涼香は栞里ちゃんと似てるから、役作りとかあまり考えないで作品に入って大丈夫ですよ」って言ってもらったんですが、知れば知るほど似てなくて(笑)。私はすぐ感情移入して泣いてしまうし、好きな人がいても小箱に入れたお菓子を個人的にあげる勇気はないです。でも、そういう涼香の真っすぐで強い一面を知って大好きになったし、“こういう人になりたいな”ってあこがれます。実際に撮影に入って、意外と共通点が少なくて良かったなって感じることができました。

MERチームのキャストのお芝居で刺激を受けたことは?

私がご一緒するのはスタッフルームのシーンが多いんですが、皆さんの会話が本当にプライベートでおしゃべりしてるみたいにリアルなんですよね。私だったら相手の言葉を待ってからせりふを言うタイミングになってしまうところを、皆さんは本当の会話みたいに相手の言葉を待たないんです。“これ、練習してるのかな?”“どうやってるんだろう?”って驚きました。それに、皆さん普段から仲が良くって、クラスメートみたいにずっと和気あいあいとしているんです。見ていて、勝手に“青春だな~”と感じてますし(笑)、その空気感が撮影でも出ているなと思います。

◆個人的に好きなシーンはありますか?

特にバディのシーンが好きですね。喜多見先生と千住(幹生)さん(要潤)のシーンで、「止めても無駄ですよ」「足引っ張ったらぶっ飛ばす」「了解!」ってやりとりとか(4話)。喜多見先生と高輪千晶(仲里依紗)さんのグータッチ、音羽先生のエアーグータッチも好きですし、5話の手術シーンのあとに倒れ込む音羽先生を抱きかかえる喜多見先生の笑顔も。好きなシーンがすごくたくさんあるので、台本を読んで泣いて、OAを見ても泣いてしまうんです。毎週、そんな状態です(笑)。

◆ご自身のシーンで印象的だったのは?

妊婦の彩乃さんに「大丈夫ですよ、必ず助けは来ますから」って励ますシーン(5話)の時、リハーサルから感極まってしまって。ずっと声の震えが止まらなかったんです。彩乃さんも本当に苦しそうで、皆さんの演技で本当に赤ちゃんの命の危機を感じたし、音羽先生も必死に命を救おうとしている。それで感情が高ぶってしまったんだと思います。そうしたら、本番前に演出の松木(彩)さんが来てくれて、「涼香はすごく強い人で、彩乃さんを一生懸命励まそうとしてるから、強い心を持ってね。今は“必ず助けるんだ”って気持ちだけで。泣かないで」って言われて。“ここは涼香の意志をちゃんと持って演じなければいけないな”と感じた瞬間でもあったので、あのシーンはすごく印象的でした。

◆演じることに対して、自分の中でつかめた瞬間はありますか?

エレベーターのシーンですごくお世話になった松木監督が、8話も演出をされていて。8話の撮影の合間に、「5話の赤ちゃんが助かった時の栞里ちゃんの涙は、どうやって出たものなの?」って聞かれたんです。「演じてるという感覚は正直なくて、皆さんの演技を見ていたら“赤ちゃんを助けることができて本当に良かった”って思って。だから視聴者として泣いただけなんです」とお伝えしたら「それも立派な演技ですよ」って言ってくださって。そのことがものすごくうれしくて。“お芝居できてたのかもしれないな”ってちょっとだけ自信になりました。いつも松木さんが涼香の感情を伝えてくださるので、涙が流れたりとか、心から怒りを込めて「最低!」って言えたりする(笑)。やっぱり松木監督との出会いはとても大きいなと感じています。

◆『TOKYO MER』という作品の魅力はどんなところだと思いますか?

涼香のせりふで「誰にだってできることはあると思います」という言葉があって。“どの立場、どんな状況でも、今自分にできることは何かを考えて、探して、見つけて、もし行動することができたら、その場にいる誰か1人でも笑顔になってくれたら、私はここにいて良かったんだなって感じられる”と、そのせりふから思いました。その話(6話)も、MERの皆さんそれぞれが自分にできることを最大限に表現していて、私も一視聴者としてすごく勇気をもらえたんです。私は常に自信がないタイプなんですが、毎話、毎話“自分にできることは何だろう”“明日じゃあこれを実践してみよう、頑張ってみよう”って気持ちになれる作品だなと感じました。

◆周囲からの反響はいかかがですか?

すごいです、反響! 友人や両親にも「月曜日から頑張ろうって気持ちになる」って言葉をもらっています。Instagramでも、「すごく勇気が出ました!」「明日からも頑張ります!」ってメッセージをたくさん頂きますし。あと、火曜の『ヒルナンデス!』でご一緒している南原(清隆)さん、いとうあさこさん、チョコレートプラネットの松尾(駿)さんが、生放送前にドラマの感想を言ってくださるんです。皆さんが熱くお話してくれるのが、すごくうれしくて。勇気が出ますね。他の番組のスタッフの方からも「見たよ~! 感動した」って言っていただいて。とてもありがたいですし、その言葉で私も励まされています。

◆気持ちが近づきつつある音羽先生と涼香ですが、今後どうなったらいいなと思いますか?

涼香は音羽先生に特別に小箱を用意するぐらいですから、きっと音羽先生への思いは回を重ねるごとに強くなっていると思うんです。でも、音羽先生はなかなか…。一視聴者としても、涼香としても、音羽先生の笑顔は見たいなってすごく感じていて。きっとその笑顔を引き出せるのは、MERメンバーだとは思うんですが…。そこにちょっぴり涼香も入れたらいいな~って思いはあります。

◆『TOKYO MER』に出演したことで、今後こういったお芝居や役柄をやってみたいなという目標はありますか?

今はこの作品が好きすぎて、涼香のことが大好きすぎて、ほかの人になる想像ができないです。だけど、『TOKYO MER』にもちょっとコメディ要素が入ったシーンがあって、カットがかかった後にスタッフの皆さんがフフって笑ってくださるんです。その瞬間がすてきだな、楽しいなって思ったので、“今後、そういうコメディにも挑戦したいって思う日が来たらいいな”という気持ちはあります。でも、今はもう、『TOKYO MER』と涼香でいっぱいです!

PROFILE

佐藤栞里
●さとう・しおり…1990年7月27日生まれ。埼玉県出身。A型。現在、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系 ※火曜)、『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)、『有吉の壁』(日本テレビ系)、『王様のブランチ』(TBS系)にレギュラー出演中。

番組情報

日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
TBS系
毎週日曜 後9・00~9・54

脚本:黒岩勉
演出:松木彩、平野俊一
出演:鈴木亮平、賀来賢人、要潤、小手伸也、佐野勇斗、佐藤栞里、佐藤寛太、フォンチー、菜々緒、稲森いずみ、城田優、桂文珍、鶴見辰吾、橋本さとし、渡辺真起子、仲里依紗、石田ゆり子

©TBS

●text/齋藤紅美

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