沢口靖子「このシリーズに携わってくださるキャストやスタッフさんたちの、20年分の愛と思いを強く感じる現場でした」映画「科捜研の女 -劇場版-」

特集・インタビュー
2021年09月03日

 

沢口靖子インタビュー

◆全てのせりふや言動に説得力があるなと感じました。

そうなんです。目力があるし、存在感もあり、この物語に重厚なものを加えてくださった感じがします。また、そうした強さがあるので、加賀野さんが語る言葉にも、間違ったことをしているものの、どこか正義があるように感じましたね。

◆では、マリコの目線から見た加賀野はどんな人物に感じましたか?

近未来を見据えたクールな天才科学者ですね。マリコとは価値観が違う。ですので、犯人として疑いの目を向けつつも、同じ科学者としてリスペクトの気持ちはずっと意識していました。

◆クレバーなだけに強敵ですよね。

本当に! “いつもだったらこのあたりで犯人が折れてくれるはずなのになぁ…”と思ったりもして(笑)。マリコもいろんな証拠を見つけ、逮捕に向けて何度もトライするんです。でも、そのたびに逃げられ、挙げ句に正論をぶつけられ、なかなか逮捕までたどり着けないという印象がありました。まさしくシリーズ最強の敵でしたね。

◆だからこそ懐かしいメンバーも登場し、総動員で挑む必要があったように思います。しかも、みんながみんなマリコに協力的なのも、やはり彼女の人徳があるからこそだと感じました。

マリコは追い求めているものが誰よりも高いんです。普通の人なら諦めてしまうところを、彼女は諦めない。その情熱が、最終的にみんなを協力的にさせるのかなと思っています。特に今回の劇場版ではそれを強く感じました。

◆本当に多くのメンバーが参加していますが、特に懐かしさを感じたのはどなたでしたか?

渡辺いっけいさん演じる元夫の倉橋(拓也)さんですね。本当に久しぶりにご出演いただいて。私個人としても、懐かしくて、うれしかったのですが、マリコとしても今でも不器用に生きる元夫を愛おしく見つめている感じがしました(笑)。ですから、お互い人間としては認め合っている関係性を出せたらなと思って演じたんです。面白かったのが、その2人を後ろから土門さん(内藤剛志)が見守っていらっしゃるんですよね(笑)。そのシーンはぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

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