『あの花』10周年記念!脚本・岡田麿里が語る作品への思いとキャラクターの“愛称”秘話

特集・インタビュー
2021年09月05日

◆岡田さん、監督の長井龍雪さん、キャラクターデザインの田中将賀さんはチーム「超平和バスターズ」と呼ばれていますもんね。

製作委員会の名前で、私たちのことではなかったんですけど。最近は略されて、打ち合わせなどの時に「超平和の皆さん」と呼ばれることもあったり。何がなんだか分からなくなってきています。

◆(笑)。めんまという愛称にも同じような意図があったのでしょうか?

めんまに関してはちょっと違って。私が小学生の時、隣のクラスにいた女の子の愛称がめんまだったんです。その子の名前には「め」が入っているんですけど、「んま」はどこから来たのか分からなくて。でも、響きがすごくかわいくて、ずっといいネーミングだなと思っていて、いつか使いたいなと思っていました。

◆作品のタイトルも印象的ですが、これはどなたが考案されたのでしょうか。

それは長井君です。タイトルはどうしようかとみんなで考えていた時に、B’zさんの『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』みたいな長いタイトルって面白いよねという話になったんです。そしたら長井君が「こういうのはどうか」と、このタイトルを提案してくれて、ひと目で気に入りました。彼は感覚を大事にするので、あの日見た花が何なのかとか、細かい設定は特になかったと思います。でも、こうしてインタビューでよく聞かれるうちに、それぞれの中に答えのようなものができてきた(笑)。私はこのタイトルをあのころにしか味わえない気持ちに、まだ名前を付けられない。それは、自分たちがあのころから続く季節の中にいるから”というニュアンスなんじゃないかなととらえています。

◆岡田さんが最も印象に残っている話数を教えてください。

やっぱり1話は特に印象深いです。いなくなっためんまを探すために、じんたんが走っていくところは衝撃的で。もちろん、シナリオを書いていて想像してはいたんですけど、それ以上でした。完成した1話を他のスタッフの方々と一緒に見た時は、みんな興奮していましたね。「この作品は売れる、売れない」とかではなく、「自分はこの作品が好きだ」という感想ばかりで。作り手の私たちの心にも刺さる作品に仕上がったな。そして、アニメってみんなのものであり、一人ひとりのものなんだなと感動しました。この体験は、以降も自分が「どういう物作りをしていきたいか」の基準になりました。

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